
誰でも釣れる穴釣り入門!最低限知っておきたい道具と釣り方
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アイキャッチ画像提供:平尾真也氏
穴釣りってどんな釣り?

穴釣りとは、テトラポッドや石積みの穴の中に仕掛けを落として釣る釣り方です。近年では釣りyoutuberの釣りよかでしょうさんが動画に取り上げたことでも注目され、人気が高まっています。
仕掛けを遠くへ投げる必要がなく、道具や仕掛けもシンプルなので、 初心者でも始めやすいのも人気の理由です。穴釣りは手軽な釣りですが、意外な大物がかかる場合も多く、奥が深い釣りでもあります。
また、穴釣りは 季節に関係なく一年中楽しめるというのも魅力の一つです。魚種によって釣りやすい時期・釣りにくい時期は様々ですが、基本的にはどの時期でもなんらかの魚たちが釣り人を楽しませてくれます。
/穴釣りで釣れる魚
穴釣りで釣れる魚について、代表的なものを紹介していきます。どれも食べて美味しい魚なので、自身の釣りに行く地域や時期によってベストなターゲットを狙ってみてください。
カサゴ(ガシラ、アラカブ)

穴釣りのメインターゲットとも言えるのがカサゴです。関西ではガシラ、九州ではアラカブとも呼ばれます。北海道から九州までの日本各地に生息し、穴釣りポイントであれば大体どの場所でも狙えます。釣るのも簡単で一年中どの時期でも釣れるため、まさに穴釣り入門にはぴったりの魚です。
メバル

ルアーを使って狙う「メバリング」で有名なメバルも穴釣りで釣ることができます。カサゴと同様大体の場所で狙える魚です。一年を通して狙える魚ですが、夏場は数・サイズともにあまり期待はできず、主なシーズンは12〜4月ごろの寒い時期になります。
この時期は30cmを超えるいわゆる「尺メバル」という大型メバルが釣れる可能性もあり、強烈な引きで釣り人を楽しませてくれます。
キジハタ(アコウ)

キジハタは関西でアコウとも呼ばれる高級魚です。東北から沖縄まで幅広く分布していますが、狙って釣るなら生息数の多い北陸以西の日本海側と、紀伊半島以西の太平洋側がおすすめです。最大で50cmを超える魚ですが、穴釣りで釣れるのは20〜30cm程度がメインになります。
海水温が高い時期に釣れやすく、6〜10月ごろがベストシーズンになります。
アイナメ

アイナメはその強烈な引きで、穴釣りだけでなくルアー釣りのターゲットとしても人気の高い魚です。ほぼ日本全国に生息していますが、北海道〜東北にかけての寒い地域がサイズ・数ともに期待でき、穴釣りでも40cmオーバーの良型が釣れることがあります。
シーズンは北海道ならほぼ一年中、東北なら高水温期の夏場を除く一年中、それ以外の地域では11〜4月ごろになります。
ソイ類

クロソイ、ムラソイ、ベッコウゾイ(タケノコメバル)がよく釣れる種類で、北海道から九州までの各地で狙える魚です。他にもシマゾイやマゾイ(キツネメバル)なども混じります。周年通して狙えますが、クロソイやベッコウゾイは秋〜春にかけて、ムラソイは夏〜秋にかけてが釣りやすい時期です。
他にも穴釣りではアカハタやギンポ、ベラ、カワハギなど、地域や時期により実に様々な魚を狙うことができます。何が釣れるかわからないワクワク感も穴釣りの醍醐味と言えるでしょう。
/穴釣りのタックル(竿・リール・ライン)

穴釣りを始めるにあたって必要な道具について解説していきます。
初心者はセットがおすすめ
穴釣りを始めてみたいけど、どんな竿やリールが良いのかわからない・・・という方には一式揃った穴釣りセットがおすすめです。穴釣りに適した竿と糸付きのリールがセットになった商品で、これを買えば手軽に穴釣りを始めることができます。
こだわってちょっと良い道具を使いたい、または好みの道具を組み合わせたいという方は、それぞれの道具の選び方について以下の記事でご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
穴釣りのリールについては近日公開予定!
穴釣りの仕掛けと餌
穴釣りのタックルが揃ったところで、魚を釣るのに一番重要な仕掛けと餌について解説していきます。
仕掛け

穴釣りでもっともメジャーで扱いやすいのが ブラクリと呼ばれる仕掛けです。円錐形のオモリに針がセットされたシンプルな仕掛けで、テトラの穴の中に落としやすく、根掛かりしにくい作りになっています。
オモリ部分は赤色に着色されていたり、夜光になっていたり、ビーズが組み込まれていたりと、仕掛けを目立たせるために様々な工夫が施されています。
他にもオモリ部分が板状になっているブラー仕掛けや、針が複数ついた胴付きタイプの穴釣り仕掛けなど、いくつかのタイプがありますが、まずはシンプルで扱いやすいブラクリから始めてみましょう。
餌の種類

穴釣りに使う餌として、まずおすすめしたいのは アオイソメとオキアミです。両者とも餌の取り扱いのある釣具屋なら大抵置いてあり、種類を問わず様々な魚を狙うことができます。
それぞれの特徴として、アオイソメは餌もちが良く、臭いも強いためおすすめですが、値段が高く、虫が苦手な方には少々ハードルが高いかもしれません。一方オキアミは値段も安く、虫餌が苦手な方でも扱いやすいですが、餌もちが悪く頻繁に交換しなければならない手間がかかります。
虫餌が苦手でなければアオイソメを使うのが、効率的に釣りができ釣果が期待できるでしょう。
また、他にもサバやサンマ、イカなどの切り身や、小型のエビやカニ、貝のむき身なども穴釣りではよく使われる餌です。状況によって効果的な餌は変わるので、色々試してみてその釣り場で一番効く餌を見つけるのも面白いかもしれません。
/ワーム(疑似餌)で釣る楽しみも

穴釣りでは虫餌や甲殻類を模した樹脂製のワーム(疑似餌)も使うことができます。ワームには様々な形状やカラーがあり、その日その時の状況により効果的なワームを見つける楽しみもあります。ルアーフィッシング的な ゲーム性の高さがワームの醍醐味です。
また、ワームのメリットとして 保存が効くことも挙げられます。生餌の場合は長期保存ができないため、使い切れなかった分は勿体無く感じますが、ワームであれば余ったら次の釣行まで持ち越すことができます。
魚の食いに関してはやはり生餌には敵いませんが、魚の好む味や匂いを配合したワームも発売されており、生餌に匹敵するほどの釣果をあげられるものもあります。
中でもバークレイ社の ガルプシリーズは半分餌と言われるほどによく釣れるワームとして評判が高いです。匂いの元となる保存液(通称ガルプ汁)はかなり匂いが強く、服などにつくと取れなくなるので取り扱いには注意が必要です。
穴釣りをする際の注意点

穴釣りをする際にはいくつか注意しておきたい点があります。釣りを始める前に一通り頭に入れておき、釣り場での事故やトラブルを避けましょう。
何よりも安全第一に
テトラは足場が悪く滑りやすいため、転落して重大な事故につながる可能性が高いです。慣れていない初心者の場合は、テトラの上に乗っての穴釣りはおすすめできません。最初は堤防の上から探れる範囲の穴から攻めていきましょう。
堤防とテトラの間や、足元に沈んでいる岩の隙間などにも意外と魚は潜んでいます。まず何よりも安全第一で穴釣りを楽しみましょう。
ライフジャケットは必須
テトラの上に乗る乗らないに関わらず、釣りをする際にはライフジャケットは必ず着用しましょう。万が一落水してしまった場合でも、ライフジャケットを着けていると生存率は3倍ほど上がるそうです。
腰巻きや首掛け式のものから、浮力材が入ったゲームベストタイプのものなど、様々なタイプがあります。
ゲームベストタイプのものは小物類を収納できるポケットがついており、バッグなどを持たずに釣りができますが、かさばるため少々動きにくさは感じます。移動を繰り返す穴釣りでは、腰巻きタイプのライフジャケットが一番身軽で快適に釣りができるでしょう。
小さい魚はリリースしよう
穴釣りでよく釣れるカサゴやメバルなどは回遊性が低いため、釣れた魚を全てキープしてしまうとそのポイントの魚がいなくなってしまいます。小さい魚はなるべくリリースしてあげて、その釣り場で長く釣りが楽しめるように配慮しましょう。
魚種により異なりますが、カサゴやメバルであれば 15cm以下の魚はリリースしてあげるのが望ましいです。
/毒魚に注意!
魚の中には毒のある棘を持った種類がいくつか存在し、刺されると激しい痛みを伴い、最悪の場合死に至る可能性もあります。穴釣りで釣れる可能性のある毒魚としては、 ハオコゼ、ゴンズイ、アイゴなどが代表的です。他にも暖かい地域であればミノカサゴなどが釣れる事もあります。
釣りに行く前にそれぞれの毒魚の特徴を覚えておきましょう。もしも釣れた際には決して素手では触らずに、フィッシュグリップや魚バサミを使うようにしましょう。
ゴミは必ず持ち帰ろう
釣り人が放置したゴミのせいで年々釣りができる場所が減ってきているのが現状です。釣りをした際に出る仕掛けや餌のパッケージや、糸くずなどのゴミはその場でポイ捨てせずに必ず持ち帰って処分しましょう。
小さい魚をリリースして資源を維持するのと同様に、長く釣りを楽しめるように釣り人一人一人の意識が重要になってきます。
穴釣りのやり方とコツ
穴釣りは具体的にどんな流れで進めていけば良いのでしょうか。釣りのやり方と意識したいポイントについてご紹介していきます。
仕掛けの投入
まずは仕掛けを落とし込むところから始まります。リールのクラッチを切り仕掛けを落としていきますが、この時にそのまま仕掛けを落とすだけだとライントラブルの元となります。仕掛けを落とす際はスプール部分に指を当てて、スピードを調節しながら仕掛けを落としていきましょう。
仕掛けを落とし込むと、放出されているラインが止まるタイミングがあります。それが着底の合図なので、リールのハンドルを回してクラッチを戻し、魚が食いつくのを待ちます。着底した後に数cmほど仕掛けを巻き上げて浮かしておくと根掛かりのリスクを軽減できます。
誘いをかける
仕掛けを落とし込んで、そこに魚がいればすぐに食いついてくることが多いですが、反応がなければちょんちょんと竿先を軽く動かして魚にアピールしましょう。この時にあまり大きく仕掛けを動かし過ぎると根掛かりしてしまうので、仕掛けを動かす幅は数cm程度に抑えましょう。
ずっと仕掛けを動かし続けていても魚に警戒されてしまうため、2〜3回しゃくったら一旦止めて魚の反応を待ちましょう。反応が無ければまたしゃくりを入れて誘います。これを何回か繰り返してアタリが無ければ、仕掛けを回収して次の穴に移動します。
/魚がかかったら一気に巻き上げる
穴釣りのアタリはわかりやすく、竿先をググッと持っていかれることが多いです。基本的にアワセは必要なく、魚がかかったら落ち着いてリールを巻き上げていきましょう。
この時に、餌をくわえた魚がテトラの隙間に潜り込むと、 根掛かりしたように動かなくなってしまいます。大抵はそのままラインを張って待っていれば出てくることが多いのですが、かなりの時間をロスしてしまいますし、テトラに擦れてラインも傷んでしまいます。
そうならないためにも、魚がかかったら多少強引にでも一気に巻き上げて穴から抜きあげましょう。
テンポよく色々な穴を探ろう
穴釣りで釣れる魚は回遊せずに、穴の中でじっとしていることが多いです。そのため、1箇所の穴で粘らずに、反応がなければどんどん穴を変えて探っていきましょう。
効率よくたくさんの穴を探ることが釣果アップのコツです。また、魚を釣った後に反応がなくなった穴でも、時間をおいて戻ると釣れることもありますので、いい穴は場所も覚えておくと良いでしょう。
/穴釣りで根魚をゲット!

穴釣りは気軽に始められて、意外に大きな魚も釣れることもある楽しい釣りです。魚がかかった時の、手元に伝わるブルブル感や、一気に抜き上げる爽快感は、他の釣りにはない穴釣りならではの魅力です。
怪我に十分注意して、ぜひ美味しい根魚を釣ってみてくださいね。大きな魚が釣れたら、友人や家族で美味しくいただきましょう!