
ネオンテトラの寿命と長生きさせるための飼育の4つのコツ
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ネオンテトラの寿命

ネオンテトラの寿命は 通常で2~3年です。観賞魚の中では寿命が短い部類で、同じ位の魚種はメダカやモーリーなどが挙げられます。言うまでもありませんが、寿命の長さは飼育環境に左右され、上手に管理できれば通常よりも長生きさせることが可能です。ネオンテトラの場合、8~10年も生きた報告もあります。
一方で、ネオンテトラは 寿命を迎える前に死んでしまったという例もちらほら聞かれます。なぜなら、安価で入手できるうえに丈夫という触れ込みから、ネオンテトラにとってはストレスの多い環境で飼育されることがあるからです。もし、購入したネオンテトラのほとんどが、2年もしないうちに死んでしまう場合は、飼育環境の見直しをしてみてください。
/ネオンテトラの寿命が近づいてきたサイン
寿命を迎えようとしているネオンテトラには、以下に示す症状が現れることが多いです。
群れから離れてじっとしている
痩せる
背中が曲がる
体色が褪せツヤがなくなる
鱗がところどころはがれる
体の透明感のある部分が濁る
一見すると、病気の症状に似たものもありますが、老化による症状は止めようがないため、特別な処置は必要ありません。ただ、まだ元気な若い個体と一緒にしておくと餌の取り合いに負けたり、タンクメイトからのちょっかいを上手くいなせずに死期が早くなる恐れがあります。
そのため、少しでも長生きさせたいのであれば、ネオンテトラの老魚のみを集めて別の水槽で飼育すると良いでしょう。
/ネオンテトラに多い死因
ここでは、ネオンテトラに多い死因をご紹介します。日頃の注意で防げることも多いので、把握しておくと長生きにつながります。
病気
ネオン病
ネオンテトラをはじめとする小型カラシンに多く見られる病気で、尾ぐされ病の原因となるカラムナリス菌が筋肉組織内で増殖することで発症します。ネオン病にかかると、体色にツヤがなくなり徐々に白濁していき、病状が進行すると内出血による出血斑が現れ、やがて死に至ります。
効果的な治療薬としては、「グリーンFゴールド」・「観パラD」などの抗菌剤が挙げられます。ネオン病は、ネオンテトラの筋肉の中に病原菌がいるため薬浴の効果が薄く、完治が難しいので根気が必要です。
白点病
観賞魚の病気として代表的なものですが、ネオンテトラの飼育においても気を付けるべき病気の1つです。この病気は寄生虫症に数えられ、病原体は「ウオノカイセンチュウ」と呼ばれる繊毛虫です。水槽導入時など、ストレスにより免疫力が低下している時に、寄生されやすくなるので注意が必要です。
症状としては、全身に白色の斑点が現れ、体を擦り付けるようにして泳ぐなどが挙げられます。対処法としては、水温を30℃程度まで上げたうえで、「ニューグリーンF」・「グリーンFリキッド」などで薬浴を行うと効果的です。
尾ぐされ病
カラムナリス菌に感染することで発症する病気です。こちらはネオン病とは異なり、体表で同病原菌が増殖する特徴があります。カラムナリス菌が産生する強力なタンパク質分解酵素によって、ヒレが溶けるようにしてなくなることから、その名が付いています。
進行すると患部に水カビが2次感染するケースもあるため、早期の対処が重要です。病原体が同一であるため、治療法はネオン病と同様です。
飛び出しなどのトラブル
ネオンテトラは上層を遊泳し、基本的に臆病な性格をしているので、 飛び出しには注意が必要です。小型魚ということで、わずかな隙間からも飛び出してしまうことがあるため、フタをするとともに隙間も埋めておいてください。
それから、ヒーターの故障も多く見られるトラブルです。言うまでもなく、ヒーターが動作しなくなると適温を保てなくなるので、最悪の場合はネオンテトラが死んでしまいます。 ヒーターは基本的に消耗品であるため、予備を常備しておくとともに水温計も常設し、日頃から水温をチェックするクセを付けておくと良いでしょう。
さらに、混泳させる時は同種・他種問わず、その相手に気を配る必要があります。ネオンテトラは普通は群れを作る魚なのですが、同種同士でも小競り合いをすることがあり、その傾向は群れの規模が小さくなるほど顕著になります。特定の個体に攻撃が集中すると、その個体が多大なストレスを受けてしまいます。
そのため、特に小型水槽で少数を飼育する場合は、ネオンテトラ同士の混泳なら大丈夫と安心せずに、よく観察して喧嘩をしていないかチェックしておきましょう。
また、他種との混泳は同種以上に気を付けなければなりません。当然ながら、サイズ差が大きいとネオンテトラが食べられてしまう危険がありますし、サイズ差が小さい小型魚の中にも気性が荒く、ネオンテトラを攻撃してくる魚種もいます。
そして、一般的に混泳が成功しやすいと言われている魚種でも、個体同士の相性が悪いと喧嘩になる恐れがあるので、混泳は慎重に行ってください。
/ネオンテトラの寿命を伸ばす飼育の4つのコツ
ネオンテトラを長生きさせるためには、同種にとってストレスの少ない環境を整える必要があります。ここでは、ネオンテトラを長生きさせるためのコツをご紹介します。
水質・水温を適切に保つ

ネオンテトラを長生きさせるためには、ネオンテトラにとって快適な環境を維持することが欠かせません。水質・水温が適切な範囲になっているかどうか日頃からチェックできるように、水温計を常設したりテスターを常備するなど、機材を揃えることも重要です。
また、水槽という狭い環境だと、水換えをせずに水質を維持することはほぼ不可能と言えるため、適切なタイミングでの換水も必要です。
過密飼育を避ける

観賞魚の飼育においては、水槽の大きさ(運用できる水量)に対して適切な個体数があります。過密な状態になると、排泄物などから発生する有害物質の量も多くなり、水が汚れやすくなるので環境の維持が難しくなるからです。
ネオンテトラのような小型魚の場合、安全に飼育できる個体数の目安として、 体長1cmにつき水1Lという指標があります。ネオンテトラを長生きさせられない方は、まずはこの指標に従って飼育してみると良いでしょう。
アクアリウムに慣れて環境の維持ができるようになれば、この密度以上での飼育も可能です。
設備の見直し

ネオンテトラは小型水槽で飼育される例も多く、それが同種の魅力の1つでもあります。しかし、水槽が小さいと、水槽環境を支える周辺機材も簡素な物になりやすく、これが環境の不安定化につながるため、ネオンテトラを短命に終わらせる原因の1つになってしまいます。
特に、水質維持にフィルターは重要なので、小型水槽での飼育においても、ろ過能力が高い形式を導入すると良いでしょう。可能ならば、より大きい水槽で飼育してみてください。大きな水槽では、より多くの水を運用できるので環境が安定しやすく、一般的に小型水槽よりも維持管理が楽になるため、ネオンテトラの長生きに役立つからです。
給餌を適切に行う

餌は多すぎても少なすぎてもいけません。言うまでもなく、少なすぎると餓死の危険があります。多い分には構わないと思われるかもしれませんが、多すぎて食べ残しが出ると水質の悪化が早くなり、その分だけネオンテトラがストレスを受けてしまいます。
適度な餌の量はそれぞれの水槽環境によって異なるので、ご自身の水槽での適切な量を見極めることが重要です。ネオンテトラが短命に終わる場合、1回に与える量や1日の頻度なども見直してみてください。
/ネオンテトラを長生きさせてあげましょう

ネオンテトラは熱帯魚の定番と言える種で、アクアリウム初心者からベテランまで幅広く愛されています。一方で、安価で丈夫という特徴から、ネオンテトラにとって過酷な環境で飼育され、寿命を全うできない例もあります。
もし、ネオンテトラが短命に終わってしまう場合、飼育環境が適していないことを意味しているため、環境を見直してみてください。