
クマノミを飼育しよう!おすすめのイソギンチャクや混泳魚は?
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アイキャッチ画像出典:Pixabay
クマノミとは

ディズニーの映画などで人気のクマノミは、一度は飼ってみたい小さな観賞魚です。インド洋や太平洋など、比較的温かい海に生息するクマノミには、どんな種類がいて、どのように飼育すればいいか解説していきます。
生態
クマノミとはクマノミ亜科に属する海水魚で、スズメダイ科に分類されます。縦に平べったい体型で、サンゴやイソギンチャクの間をすり抜けるように生息するのに向いています。
派手で可愛らしい見た目に反して気が荒く、縄張り意識を強く持つ魚で、テリトリー内に入ってきた魚を攻撃することもあります。
また、クマノミはすべてオスとして産まれ、群れの中で一番大きな個体がメスに性転換するという不思議な特徴があります。
分布
広くクマノミ亜科というグループで考えれば、主な分布域はインド太平洋など熱帯の海洋に広く分布し、成体は60m以下の浅いサンゴ礁などに生息します。なお、日本近海では本州中部より南の海域に6種類ほどが生息しています。
価格
もっとも一般的で流通量の多いカクレクマノミは、サイズにもよりますが、1匹あたり700~1,500円というのが相場となっています。
あまり流通量が多くないクラウンアネモネフィッシュは4,000円以上と高額ですが、セジロクマノミやハマクマノミなど一般的なクマノミは1,000円前後で購入可能です。
/クマノミの代表的な種類①:クマノミ

クマノミ(Amphiprion clarkii)は雄が10cm、雌は15cmほどに成長します。比較的ずんぐりとした体型で、体色は地域によって異なります。
通常タイプは背中側が黒く、腹側がオレンジ色で、成長するに連れて黒い部分が大きくなります。身体の側面には白い横縞が2本あり、これが大きな特徴となっています。
クマノミの代表的な種類②:カクレクマノミ

学名はAmphiprion ocellaris。ディズニー「ファインディング・ニモ」のモデルとなった海水魚で、ほかのクマノミ亜科に比べて細長い体型が特徴です。体色はオレンジ色で、3本の白い横縞が大きな特徴。
日本でも、沖縄や奄美大島周辺でも見ることができます。性格はクマノミ亜科の中ではおとなしい部類です。
クマノミの代表的な種類③:ハマクマノミ

ハマクマノミ(Amphiprion frenatus)はカクレクマノミの近縁種と言われ、生態などが非常に似ています。見分け方としては、体色が華やかなオレンジで、太い白い横縞が頭部の近くに1本のみという特徴があります。
飼育は容易ですが流通量が少ないため、あまり見かけることはないようです。
/クマノミの代表的な種類④:トウアカクマノミ

学名をAmphiprion polymnusといい、体長は13cmほどとクマノミ亜科の中では大型の部類になります。
沖縄近海にも生息しており、体色は全体的に黒く、頭部と腹ビレがオレンジで、身体の側面に大きな白い斑点があるのが特徴です。分厚い身体を持ち、かなり頑丈な魚です。
クマノミの飼育法

クマノミは熱帯海水魚のため、飼育が難しそうと思われているかもしれません。しかし、ポイントを押さえればクマノミの飼育はさほど難しくありません。飼育方法について説明します。
水槽サイズ
飼育するクマノミの種類にもよりますが、目安としてクマノミ2匹なら60cm水槽が必要になります。成魚になるにつれて縄張りを主張しますので、45cm水槽では少し手狭になります。
また、小さい水槽では水温の変化が大きくなるので、特にクマノミは水温変化に敏感なので弱ってしまうことがあります。
フィルター
観賞魚水槽は海水・淡水にかかわらず、ろ過フィルターを設置するのが基本です。水槽内の浄化とともに、水の流れを作り出すことで水が腐ることを防いでくれます。60cm水槽の場合、一般的な上部フィルターや外掛け式フィルターなどで問題ありません。
ヒーター
クマノミはインド洋など熱帯域の海洋に生息しているため、低温下では生きられません。水槽内は年間を通じて25~26℃にキープするように、秋から冬、そして初夏あたりまではヒーターが必須です。
特に海水魚用のヒーターというのはありませんので、ショップなどで水槽サイズに合わせて一般的なヒーターを購入しましょう。
照明
前提として魚にはとって照明は必要ありません。しかし、観賞魚である以上、水槽の中を鑑賞するために上部から照らす照明器具があったほうがよいでしょう。
水槽に合わせたワット数、灯数の照明を選べば間違いありません。電気代の節約のために、薄型LEDタイプの照明がおすすめです。
そのほか必要な道具
海水魚のクマノミにとって、海の状況に近づけるためのアイテムが必要になります。これをライブロックといい、バクテリアや石灰藻、微生物などが繁殖するサンゴの岩を入れてください。
また、水温の変化に敏感なので、常にチェックできる水温計があるといいでしょう。
また、底床材にはサンゴ砂を2cmほど敷くようにします。また、水槽レイアウトとしても役立つサンゴを入れておくのもよいでしょう。
飼育セットが便利!
観賞魚ショップやインターネットショップでは、クマノミ飼育の初心者に向けたスターターセットが売られています。
上記に挙げたクマノミ飼育に必要なアイテムがすべて揃った便利なセットで、これだけあれば初心者でも安心して飼育を始めることができます。
ただし、こうしたセットにはクマノミの生体が含まれていませんので、別途入手する必要があります。
水質・水温
クマノミは温かい海に生息する海水魚です。海水水槽は淡水水槽よりも難易度が高いというのが一般的ですが、それは常に海水と同じ塩分濃度に維持することが難しいということです。
最近では、人工海水の素といった商品も販売されているので、水量に合わせて投入すれば自然に海水と同じ濃度になるので心配いりません。また、水質に関しても一般的なろ過フィルターを使用すれば、水換えのタイミングなども淡水水槽と同じに考えて大丈夫です。
なお、前述のように水温は25~26℃にキープしなければなりませんので、日本ではヒーターが必要となります。
/クマノミ飼育におすすめのイソギンチャク

クマノミを飼育する上で、ぜひ入れておきたいのがイソギンチャクです。クマノミ亜科は全般にイソギンチャクと共生する性質を持っています。イソギンチャクには毒のある触手(刺胞)というものがありますが、クマノミはこの刺胞に対して免疫を持っています。
そのため、イソギンチャクの刺胞の中に隠れて敵から身を守るという習性があるのです。水槽飼育下では天敵となるほかの魚がいないので、イソギンチャクがなくても飼育可能なのですが、魚のストレスを考慮して可能であればイソギンチャクを入れるようにしましょう。
ただし、飼育するクマノミによって相性のあるイソギンチャクがいますので、以下に紹介します。
ハタゴイソギンチャク

比較的、どのクマノミにも相性がいいイソギンチャクです。触手が短く、細いのが外見上の特徴です。粘着性が高いため、手で触ってしまうとくっついて取れなくなります。無理やり剥がそうとすると触手が切れてしまうため注意が必要です。
センジュイソギンチャク

高密度な細い触手が特徴で、丈夫な種類のイソギンチャクになります。こちらも比較的どのクマノミ亜科と相性が良いのですが、トウアカクマノミには使うことができません。
ブラウンが基本色ですが、グリーンやパープルの個体があり、水槽内を華やかにするのに役立ちます。
サンゴイソギンチャク

触手の先端が膨らんでいるタイプのイソギンチャクです。さまざまなカラーバリエーションがあり、水槽内のレイアウトにもってこいなのですが、代表的なカクレクマノミやクマノミには使えず、ハマクマノミやトウアカクマノミとの相性もあまり良くありません。
シライトイソギンチャク

非常に流通量の多いメジャーなイソギンチャクです。細長い触手を持ち、触手の先端にパープルやピンクの色がついている個体が多いのが特徴です。色はホワイトがベースで、かなり華やかな海水水槽に向いたイソギンチャクです。
しかし、残念なことにカクレクマノミやトウアカクマノミには使うことができません。ハマクマノミとの相性もあまり良くなく、クマノミだけが相性の良いイソギンチャクです。
/クマノミのエサ

クマノミのエサは小エビ、イカ、海苔などを練って固めたタイプの人工飼料が一般的に使われています。これ以外にも、一般的な海水魚向けの飼料は何でもよく食べます。
ただし、注意が必要なのはクマノミは口が小さいため、できるだけ粒の小さいタイプの人工飼料を選ぶようにしましょう。
また、個体によっては自然採取されたクマノミがいて、人工飼料に餌付かない可能性もあります。その場合、購入した観賞魚ショップが与えていた飼料を与えるようにしましょう。
クマノミの混泳

クマノミは意外と気の荒い魚です。はたして混泳については、絶対NGなのでしょうか。
クマノミの混泳適性について
クマノミは成長するにつれて縄張りを主張し、気性が荒くなります。基本的にはほかの魚との混泳はおすすめできません。ただ、カクレクマノミは比較的おとなしい性格なので、相性の良い魚であれば混泳は可能です。
また、同じクマノミ同士の混泳は可能ですが、異なる種類のクマノミを同じ水槽に混泳させるのはおすすめできません。
クマノミと混泳可能な魚種
一般に、クマノミと混泳させる場合、入れる魚はクマノミよりも気の強く、同じようなサイズの魚を選んだほうがよいとされています。
具体的にはデバスズメダイ、ニセモチノウオ、アフリカンフレームバックエンゼルあたりが丈夫で、混泳に向いている観賞魚です。また、底生魚であるハゼの種類のハタタテハゼなどもおすすめです。
混泳魚と喧嘩してしまったら?
観賞魚の混泳は種ごとの相性があり、しかも個体としての相性もあります。ただし、上記のように相性が良い多種との喧嘩はあまり起こらない可能性が高いです。
しかし同種の場合、縄張り争いで喧嘩が起こることが多いようです。基本的には縄張りの主張なので、立場が上の個体が下の個体を威嚇したり、攻撃するケースがほとんど。この場合、攻撃しているクマノミのほうを隔離するようにします。ただ、この対処法では数日後に戻しても長くは持ちません。
今般的な解決は水槽を分けるしかないのですが、その余裕がない場合は隠れ家になりそうなライブロックのレイアウトを考えたり、生体数を増やして攻撃の対象を分散させるといった方法があります。
/クマノミ飼育で気を付けたい病気

クマノミがかかりやすい病気としては、白点病やトリコディナ症などがあります。白点病は生体が弱っているときなどにかかりやすく、身体の表面に白点がいくつも見られるようになります。
寄生虫が原因で、軽度なら冷凍のブラインシュリンプなどを与えて免疫力を高めることで自然に治癒することもありますが、重い場合は淡水浴などを行えば白点状の寄生虫を取ることができます。また、トリコディナ症とは体表に半透明の膜のようなものが薄く張って、粘膜がただれてしまう寄生虫が原因の病気です。
進行が早く、対処が遅れると死に至る怖い病気です。こちらも薬浴などは行わず、淡水浴で改善が可能です。なお、淡水浴は長い時間行うと危険なので、3~4分程度にしましょう。
/クマノミの繁殖法

前述のとおり、クマノミは基本的に雄しか存在しません。同種で複数飼育する中で、性成熟した生体のうち最大の個体が雌に性転換するという不思議な生態を持っています。
そして、繁殖のために2番目に大きな生体が雄となってペアリングするという特性があります。こういった生態を考慮して、繁殖させるには水槽内に2匹のみで飼育する必要があります。比較的クマノミは繁殖活動しやすい観賞魚と言われており、条件が揃えば産卵させることは可能です。
その際、水槽内にはライブロックを必ず入れておくようにします。また、初めて産卵させる場合はイソギンチャクがあると繁殖しやすいようです。産み付けられた卵はオレンジ色をしており、雄が世話をするため隔離する必要はありません。
ただし、孵化した稚魚は親が食べてしまうので、安全な環境に隔離してあげる必要があります。
/カラフルで丈夫なクマノミの飼育を始めよう!

クマノミは海水魚の中でもとりわけカラフルで、仕草も可愛く人気の高い魚です。
水族館で鑑賞するのもいいですが、海水魚の中では比較的丈夫で飼育しやすいので、興味を持った方はぜひクマノミ飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。