
おすすめの小型プレコを現役アクアショップ店長が厳選!省スペースで楽しもう
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プレコを飼育したいけれど、大型種は設備が用意できない...

プレコは、最大サイズが10㎝以下のものから1m級のものまで多彩な種類がいます。とてもコレクションできるものではありませんが、それもプレコの魅力の1つです。
しかし、大きな種類のプレコを飼うには設備も大きくなければいけませんし、そのぶん費用もかかるため、手軽に飼えるものとは言えません。
そこで今回は、小型のプレコについてお話していきます。人気種もご紹介していきますので、この記事を見て小型プレコ飼育の参考にしてください。
/小型のプレコなら省スペースで飼育できる!

小型のプレコは、全長が10㎝前後の種類が多く、そのために大きくない水槽でも飼育が可能です。幼魚など、小さいサイズから流通する個体ともなれば、もっと小型の水槽でも飼育が可能になります。
そして、小型プレコの楽しみ方の1つに繁殖があります。プレコは大型になる種より、小型種での繁殖例が多いので、その点でも小型プレコには大きな魅力があります。
そのようなことも踏まえ、次からはおすすめの小型プレコをご紹介します。
/おすすめの小型プレコ5選
小型プレコの種類は非常に多く悩みましたが、その中から特におすすめの種類を厳選してみました。
ブッシープレコ

ブッシープレコは、ブリード物やワイルド物(野生個体)が流通します。ブリード物は2~3㎝サイズから流通し、それであれば価格もプレコとしては安価な部類になります。
アルビノやロングフィンの改良種もいますし、他の色模様に改良された種もいます。新しい改良種ほど、そしてノーマルのブッシープレコでも、成魚であれば価格も高くなってきます。
タイガープレコ
こちらもプレコのなかでは安価な部類に入る小型のプレコで、ブッシープレコ同様、小型プレコ入門種としてもおすすめです。
以前はペコルティアの仲間でしたが、今はパナクエの仲間に分類されています。ただし、魚というのはコロコロと分類が変わったりもするので、今後も変わる可能性はあるかもしれません。
オリノコメガクラウンプレコ
インペリアルゼブラプレコ等と同じヒパンキストルスの一種で、白黒模様のプレコの中で最も購入しやすい価格帯から流通している小型プレコです。
本種も繁殖が可能なので、挑戦してみるのも面白いと思います。繁殖させられるようになれば、改良や、価値の高い個体の出現などにも期待ができるので、そういった楽しみ方も増えます。
キングロイヤルペコルティア
いわゆるキンペコです。価格や繁殖難易度的にもインペリアルゼブラプレコより敷居が低いので、とても人気のあるプレコです。
現在では愛好家の間で盛んにブリードが行われ、異系統の交配や交雑によって改良種も沢山作られています。日本ではヒパンキストルスに限定したコンテストも行われるくらい、人気の品種です。
インペリアルゼブラプレコ
人気の小型プレコの代表種です。見た目の美しさもさることながら、繁殖が可能なことも人気の理由です。現在ではワイルド物の個体は貴重なことから、価格が高騰したままですが、それでも流通することがあります。
当時、現地にダムが建設されるということで、ワイルド物の存続が危惧されたことから、価格も高騰しました。
/小型プレコの飼育方法
次は、小型プレコの飼育に必要な環境や飼い方を解説していきます。
水槽サイズ・フィルター
小型プレコは、35ℓ位の水槽から飼育することができます。サイズにすると 45規格水槽や30キューブ水槽など他にもあります。
実際は、プレコのサイズがまだ小さければ12ℓくらいの30㎝水槽から飼育はできますが、成長することを考えると最初にお話した水槽サイズが良いでしょう。
フィルターの種類はどのタイプでも飼育は可能です。小さめの水槽であれば外掛け式フィルター、45㎝水槽からであれば上部式フィルターや外部式フィルターが取り付けの事も考えると良いですし、スポンジフィルターなどのフィルターの追加や、水中ポンプなどの追加で水槽内に流れを作ってあげることも重要です。
これらフィルターはエアレーションも兼ねていますが、エアーポンプの設置もおすすめです。
/水温・水質

小型プレコは、極端なpH値にならなければ弱酸性~弱アルカリ性まで幅広い水質に適応します。ただし、ph5.0を下回るような低pHは良くないので、 Ph6.5~ph7.5位を目安に水質維持をすると良いでしょう。これは十分な頻度と量の水換えをしていれば、おのずとなるpH値です。
pHが6.0に近づいてきたり、更にpH5.0代に突入してくると、pH降下スピードが増して危険リスクも上がってくるので、目的が無い限りそこまでpHが下がってこないうちに水換えなどで対処しましょう。
水温も幅広く適応するので、 23℃位~29℃位まで何ら問題なく飼育・繁殖可能です。注意するのは短時間に大きく水温変化するような場合ですが、ヒーターが切れる事故や、水換え時にミスをするなど無ければ大丈夫です。
レイアウト

小型プレコのレイアウトとしては、お好みで構いません。例えば現地に思いをはせてレイアウトストーンを多用した石組レイアウトにするのも良いですし、繁殖を狙ってプレコハウスを設置したシンプルなレイアウトにするのもかまいません。
十分なエアレーションを意識して、エアーポンプやディフューザー、水中ポンプの設置も良いことです。プレコの品種にもよりますが、それでもプレコといえば流木が付き物とも言えるので、流木も設置してあげるのもいいでしょう。
餌

小型プレコの餌としては、少し変わったところだとキュウリなども挙げられますが、一般的な餌で十分飼育・繁殖できます。
例えばプレコ用のドライフードが代表的な餌です。プレコ用のドライフードは植物質性の餌として作られていますが、動物質性の栄養を与えることも意識して、冷凍赤虫も与えましょう。
小型プレコは1番と言っていいほど冷凍赤虫を好んで食べます。プレコの場合、消灯後に餌を与えることもできるので、点灯時に餌食いが悪い場合は試してみるのも良いと思います。
小型プレコの混泳相性
底凄魚のプレコですが、混泳相性について詳しくみていきましょう。
同種・近縁種との混泳相性

同種や近縁種との混泳ですが、給餌の時や隠れ家に入ろうとした時など、個体同士が近付いた時に小競り合いをすることがあります。どうしても生活圏が同じなので、個体同士が遭遇する機会が多いことが原因です。
小競り合いが起きた場合、単純に大きな個体の方が強いため、狭い場所に2匹が入った時など、小さな個体が大きな個体に舐め殺されることもあります。水槽が大きければ混泳によって起こるトラブルのリスクも小さくなるので、そういう観点からも水槽はなるべく大きな方が良いとも言えます。
プレコ以外に、ロリカリアやコリドラスなど、同種・近縁種と混泳させやすいのもプレコの良いところです。混泳させながら繁殖も可能なので、その点も良いですね。
他種との混泳相性

他種との混泳については、最低条件として、小型プレコが攻撃されて死んでしまうような相手は混泳できないということです。例えば大型魚は基本的に混泳できませんし、好奇心旺盛だったり気の強いような魚も注意が必要です。
プレコのような魚は他魚からは意識されにくい魚なので混泳させやすい魚になるのですが、小型魚など意外な魚がプレコを執拗に突きまわして殺すこともあるので、しっかり様子を観察するようにしましょう。
また、他魚との混泳をしていて病気が出た場合、プレコがいるせいで規定量の薬浴ができなくなるので、そういう点でも不都合が生じます。
薬浴が必要になった時に、どうするか考えておくのも必要なので覚えておきましょう。
/小型プレコを飼育する上での注意点
小型プレコを飼育する上での注意点をおさらいしましょう。
病気に気をつける

小型プレコだからといって、特定の病気に気をつけなければいけないといったことはありません。どんな病気にもなり得ます。
病気のことで特に注意なのが、新規導入魚がいる時です。新しく水槽に魚が導入されたことがきっかけで病気が発生するパターンが特に怖いものです。
プレコ同士で感染しやすい病気が厄介なので、新しくプレコを導入する際は、導入後2週間以上経過するまでは観察を怠らないようにしましょう。
事故に気をつける

例えば、プレコハウス内など狭い場所でのプレコ同士の小競り合いで、弱い方がプレコハウスから出ることができなくなって殺されてしまうことがあります。
他には、大型魚と混泳したがためにプレコが食べられることがあったり、プレコを食べようとした大型魚の口や喉にプレコが引っかかって大型魚も死んでしまい、プレコと共倒れになることもあります。
あと、プレコの特徴として隠れがちなため、体調の異変に気がつきにくいこともあります。そのためプレコがすでに死んでいても飼育者が気がつかないこともあるので、より観察に気を配るようにしましょう。
とにかくよく観察する

ここまでのお話で事故や病気に気をつけるために、よく観察することはお話しましたが、プレコの場合は特にこの観察することは重要です。
プレコの特性上、プレコ自身は常に隠れがちなので、飼育者がプレコの異変に気がつきにくいのです。そのため基本中の基本なことですが、プレコがちゃんと餌を食べているか確認が必要です。
ですが、食べている様子すら観察するのが難しいという人もいるでしょうから、その場合はプレコの肉付きを観察して、痩せてきていないか気をつけるようにしましょう。
小型プレコに癒されよう!

どうでしたか?小型プレコの魅力は、熱心な愛好家を生み出すくらい魅力的なものです。反面、ブッシープレコのように雄と雌さえいれば簡単に繁殖させることができる、手軽な品種がいるのもプレコの魅力です。
小型水槽から飼育することができるので、皆さんに飼育のチャンスがあります。ぜひ皆さんもプレコワールドに足を踏み入れてみてください。