
グッピーの飼育方法を徹底解説!必要な器具やエサは?
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グッピーってどんな魚?
アクアリウムをやっている人なら知らない人はいないというくらい有名なグッピーですが、分類や原産地など意外と知らないことも多いのではと思います。まずは、グッピーという魚がどんな種類なのかご紹介します。
分類と特徴

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グッピーはポキエリア科ポキエリア属に含まれる魚で、実は和名としてニジメダカという名前が与えられています。全長は約5cm程度で、派手な体色やヒレが特徴です。
現在流通してるグッピーは品種改良された個体で、野生種は褐色の体色に透明なヒレを持つ一見地味な魚です。グッピーは1859年に新種として記載され、グッピーという名前は発見者であるメクレア・グッピー氏に由来しています。
原産地

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南米北部のベネズエラやブラジル、コロンビアなどがグッピーの原産地ですが、品種改良が世界各地で行われています。海外ではドイツをはじめとするヨーロッパやシンガポールなどの東南アジアで主に養殖され、外国産グッピーとして日本位輸入されています。
一方、国内でもブリードが行われており、国産グッピーとしてひとつのブランド力があります。
アクアリウムにおける歴史

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グッピーのアクアリウムの歴史は深く、日本には昭和初期に初めて輸入されました。一説では、アメリカ兵が缶詰などでグッピーを日本に持ち込んでいたとも言われています。
輸入当時は珍しいこともあり非常に高価で、三越や千疋屋といった高級店で販売されていたようです。その後、第二次世界大戦が終了してしばらく経った頃から徐々に一般庶民も購入できるようになっていったようです。
販売価格の相場

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グッピーは外国産と国産で価格が大きく異なります。東南アジアから輸入される 外国産のグッピーでは1匹100~200円程度と安いのに対し、国産グッピーだと1ペア1000円程度から高いものだと数万円にもなります。
外国産グッピーは海外で大量に養殖されているのに対し、国産グッピーは愛好家が系統などを重んじてコツコツ生産してることなどから、このような値段の差が生まれています。
もちろん、品種によっても価格は大きく変わりますが、数百円からでも購入できる品種がたくさんいるのもグッピーの魅力です。
グッピーの種類(品種)

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グッピーは非常にたくさんの品種が作出されています。代表的なものとしては、ブルーグラスやドイツイエロータキシード、ネオンタキシード、オールドファッションなどが挙げられます。また、グッピーは愛好家や養魚場などが常に新品種を作ろうと試行錯誤しています。今後新たな品種がどんどん生まれてくることでしょう。
グッピーの飼育方法
グッピーの飼育に必要な器具や飼育方法について詳しく解説していきます。
グッピー水槽に必要な8つの飼育器具
飼育水槽
少数のグッピーを飼育するだけであれば、水量の小さなキューブ水槽や小型水槽でも飼育は可能です。ただし、グッピーはオスメスがいてある程度の整った環境があるとどんどん増えていきます。
そんな場合でも対応できるよう、可能であれば60cm水槽などから飼育を始めると失敗が少ないと思います。
エーハイムグラス水槽 EJ−60 60×30×36cm60cm水槽
ろ過フィルター
水槽の水量やグッピーの飼育数によって必要なろ過能力は変わってくるので、一概にこれとは言えませんが、60cm水槽であれば、上部フィルターがろ過能力も高く価格も比較的安いのでおすすめです。
あとは、小型水槽であれば外掛け式フィルター、たくさんの数を飼育したい方は外部フィルターを用意すると良いでしょう。
GEX デュアルクリーン600SP 60cm水槽用上部フィルター
ヒーター
グッピーは、日本の低水温では生きられない熱帯魚なので、ヒーターなどの保温器具は必須です。水槽の水量にあったワット数のヒーターを選択しましょう。反対に、日本の夏は予想以上に暑くなることもあり、グッピーにとっては水温が高すぎる場合もあります。
必要に応じて、水槽用のファンやクーラーを使い水温を一定に保ちましょう。
水槽用ヒーターについては、下記の記事で詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください。
水温計
水槽内の水温がどれくらいかチェックするためには水温計が必要です。ヒーターの故障などのトラブルの際も、水温計がないとすぐには気づかないものです。高い器具ではないので、必ず用意するようにしましょう。
水温計については下記の記事で詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください。
ライト
ライトはグッピーの生活リズムを整えたり、水草の育成に必要な器具です。できれば、決まった時間に点灯・消灯するようにしてあげましょう。
水槽の上部に置くタイプのほか、小型水槽ではクリップタイプのライトもあります。グッピーを飼育するだけでしたら、それほど強い光は必要ありません。水草を一緒に育てる際は、水草の必要とする光量をチェックしておきましょう。
底砂
底砂は有益なバクテリアの住処となり、水質の安定化につながります。グッピーの飼育においては、phに影響を与えない底砂を選ぶと良いでしょう。底砂も様々な種類がありますが、グッピーと名前の付いたものも販売されていますので、それを利用するとよいでしょう。
エアーポンプ
エアーポンプは必須の器具ではありませんが、エアレーションによって好気性バクテリアが活性化したり、過密飼育の場合や夏場の高水温時の酸素不足を補ったりとメリットもたくさんあります。
中和剤・水質調整剤
日本の水道水は塩素で消毒されていますが、グッピーにとっては塩素は毒です。また、水道水には重金属などのグッピーに悪影響があるものが含まれている場合もあります。そのため、塩素中和剤や水質調整剤でグッピーに適した水を作ってあげる必要があります。
調整剤と中和剤が1つにまとまっている商品がおすすめです。
テトラ パーフェクトウォーター 250ml (淡水・海水用)
水温・水質
グッピーの飼育に適した水温は26度前後です。市販の水温固定式オートヒーターは26度前後で設定されていますので、そのような商品を使えば問題ありません。病気などの治療の際には、サーモ付きのヒーターが活躍しますので、可能であればそちらを用意しておくと安心です。
グッピーは外国産と国産で管理されている水質(ph)が異なる場合があります。国産グッピーであれば、他の熱帯魚同様の中性〜弱酸性で管理されており特段問題ありません。
しかし、外国産グッピーの場合、アルカリ性の水飼育されていることもあり、日本の水とはphが異なるため注意が必要です。外国産グッピーを購入する際は、購入前にphを販売元に確認しておくと良いでしょう。
基本的には、グッピーは広い水質に順応してくれる比較的強い魚ですが、特に導入初期は注意しましょう。
水流
グッピーはそれほど泳ぎが得意な魚ではありません。あまり強すぎる水流ではグッピーが疲れてしまいますので、エアレーションの場合はコックで水流を弱めてあげましょう。
フィルターの水流が強い場合は、水量調節コックで調整するか吐き出し口を水槽壁面に向けるなどの工夫を行いましょう。
グッピーのエサ
グッピーはなんでもよく食べてくれる魚ですので、基本的には人工飼料で問題ありません。グッピーをはじめとする熱帯魚の栄養バランスを考えたエサが販売されています。
また、成魚にはアカムシなどをたまに与えてあげると喜びます。稚魚の育成にはブラインシュリンプや育成用の専用エサなどを与えると良いでしょう。
レイアウト(水草やアクセサリー)

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グッピーはとても温和な魚ですが、サイズ差や個々の性格差でちょっとした小競り合いが起こる場合もあります。そのため、水草などを植えてあげると弱い魚の隠れ家にもなるため、水草レイアウトはおすすめです。
あとは自分の再現したい雰囲気似合わせて、流木や土管などのアクセサリーでオリジナルのレイアウトにチャレンジしてみてください。
飼育密度(収容匹数)
グッピーは大きくなっても5cm程度で温和な魚なので、複数匹での飼育にも向いています。 60cm水槽であれば、20~30匹程度の密度で飼育すると良いかと思います。
フィルターのろ過能力や水換え頻度次第ではそれ以上の密度でも飼育は可能ですが、ちょっとしたバランスの崩れで病気などのトラブルも起こりやすくなるため、初心者にはおすすめしません。
グッピーの混泳について

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グッピーは同種同士であれば、特に問題なく混泳が可能です。ただし、先述の通り水質が異なる場合もありますので、その点だけは注意しましょう。また、グッピーは他種との混泳相性も良い魚です。
グッピーが食べてしまうような小型の魚や、反対にグッピーを攻撃してしまう魚を避けるようにしましょう。コリドラスや小型のコイ科魚類などが混泳向きの代表種です。
グッピーの繁殖
グッピーはポイントさえ押さえておけば、初心者でも簡単に繁殖が狙える魚です。グッピーは卵を卵胎生の魚のため、親のお腹からいきなり稚魚が産まれてきます。
他種の稚魚比べてもグッピーの稚魚は比較的大きく、エサもあまり難しくありません。産まれた子をしっかりと飼育できる環境があるならば、ぜひ繁殖にもチャレンジしてみてください。
グッピーの病気
グッピーがかかりやすい病気とその治療法についても見ておきましょう。グッピーは複数飼育をしている場合が多いので、病気を放っておくと水槽中に蔓延してしまうこともあります。早期発見・早期治療がグッピー飼育においては重要です。
白点病
症状
白点虫が体に寄生し、体に白い点が複数現れます。はじめは1~2個でも数日で身体中に白い点々ができるほど進行が早い病気です。グッピーが体を水槽や底砂などに擦り付ける動作をするようだったら白点病を疑いましょう。白点病にかかると衰弱していき、最後は死んでしまいます。
治療法
水温をあげてあげたり、メチレンブルーやグリーンFでの薬浴、0.5%食塩水での塩浴などが効果的です。初期段階であれば、水温をゆっくり2~3度程度あげてあげ、毎日こまめに換水するだけで治ったりもします。
水カビ病
症状
グッピーの体やヒレにカビのようなモワモワとした綿のようなものがつく病気です。怪我をした箇所から感染したりする場合が多く、口などに発症するとエサを食べられず徐々に衰弱していきます。
治療法
水カビ病の発症個体をはじめ、他種にヒレをかじられたり他の病気で傷ができてしまった個体は早めに隔離し、メチレンブルーなどで薬浴してあげましょう。進行が進んでいる場合は、ピンセットなどで直接カビをとってあげることが必要な場合もあります。
尾腐れ病
症状
カラムナリスという菌によって引き起こされる、尾ヒレがボロボロになる病気です。尾ヒレ以外でも口やエラでカラムナリスによる症状が出る場合もあり、口腐れ病やエラ腐れ病と呼ばれます。
治療法
0.5%塩浴、エルバージュなどの薬浴が効果的です。白点病と異なり、カラムナリスは水温が高い環境下では進行が早まるので水温をあげるのは効果がありません。病気のグッピーを隔離して、こまめな換水を心がけましょう。
ハリ病
症状
主にグッピーの稚魚に多い病気で、ヒレをたたんだ状態になり、体が細長い針のようになって衰弱してしまいます。ヒレが使えないので、頭を振るようにして泳ぐようになるのが特徴です。
治療法
グッピーの稚魚は成魚に比べて体力も少ないので、低濃度での塩浴(0.2〜0.3%)もしくは、メチレンブルーなどを使った薬浴を行います。水質悪化が原因で発症することが多いので、産卵箱などの換水はこまめに行いましょう。一度発症すると中々治らない病気でもあります。
グッピーの寿命
グッピーを飼育していれば、必ずやってくるのが寿命によるお別れです。グッピーの寿命は購入した時点で生後どれくらいかにもよりますが、およそ1〜2年程度と考えておいてください。
大切に飼っているグッピーが死んでしまうのはとても悲しいことですが、アクアリストとして寿命を全うさせてあげられるように愛情を注いであげましょうね。
可愛いグッピーに癒されよう!

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魚釣りが「フナに始まり、フナに終わる」といわれるように、アクアリウムは「グッピーにはじまり、グッピーに終わる」と言われたりするほどグッピーはアクアリウムとの深く関わっている魚です。
綺麗なヒレをひらひらさせて泳ぐグッピーが自宅にいるだけで癒されること間違いなしです。ポイントさえ押さえておけば飼育も難しくないので、ぜひグッピーの飼育にチャレンジしてみてくださいね。