
魚のウロコ取りのコツとは?しっかり処理して美味しく魚を頂こう!
Share
アイキャッチ画像提供:デュフデュフ
魚のウロコについて

出典:写真AC
人間にとっては魚を食べる時に厄介な魚のウロコ。一口にウロコといっても大きさや形、生え方など魚によってさまざまです。今回はウロコの役割から調理するうえでのコツを紹介します。
魚のウロコの役割
魚類は自らの身体を守るために体表をウロコで覆っているものが少なくありません。もっぱら体を防御する事がウロコの機能ですが、ナマズなどのぬるぬるした魚はそのぬるぬるがウロコに代わって体を守っています。また、マグロなどのより速く泳ぎ回っていたい魚は少しでも水の抵抗を軽くするために最小限のウロコを備えています。
ウロコの種類
全部同じに見えるウロコもいくつかの種類があります。ここでは代表的なものを紹介します。
楯鱗
軟骨魚類に特有のウロコで、歯と同じ構造になっています。ウロコには棘があり、細かい楯鱗が体表に並ぶとザラザラとした感触のいわゆるサメ肌を形成します。
円鱗
表面が滑らかな円形のウロコで、イワシやサケ、コイなどはこの円鱗を持っています。
櫛鱗
櫛鱗は縁に小棘があり、ザラザラとしたウロコです。基本構造は円鱗と同じで、スズキやカサゴ、マダイなどが当てはまります。
有孔側線鱗
体の側面に伸びる”側線”という感覚器官が通る穴の開いた鱗です。水圧を感知したり、耳のような役割を持ちます。
そもそもウロコって食べれるの?
そのまま食べると固く、口の中に残ってとても歯ざわりが悪くなります。そのため基本的には食べられませんが、中には好んでウロコを食べる料理もあります。
アマダイの松笠揚げ
ウロコをあえて取らずに切り身を揚げた料理です。揚げることによりウロコが逆立ち、まるで松笠(松ぼっくり)のような見た目に仕上がる逸品です。鱗のパリパリ感とアマダイ特有の皮目の甘味が絶品なアマダイの定番料理です。
鯉こく
鯉を味噌味で煮込む煮物料理です。ウロコのゼラチン質が溶け出して味にコクが出るため、地域によってはウロコを付けたまま煮付て一緒に食べるそうです。
ウロコタイプ別の鱗取り手法
ウロコの取り方をタイプ別に見ていきましょう。
ウロコが取れやすい魚
イワシ、アジ、サバなど円鱗を持つ魚がこのタイプに該当します。イワシなどは手でも簡単にウロコが取れてしまうので、そのまま水で丁寧に洗い流しすだけでOKです。手だけでは取れきれない場合でも、包丁などで尾の方から頭に向かって引っ掻くように擦ってこそぎ落とすと楽に取ることができます。
ウロコが硬く取れにくい魚
櫛鱗を持つ魚はウロコが固く皮に付いていて取れにくいことが多いです。基本は円鱗の場合と同じですが、ウロコが飛び散りやすいので、擦る部分に流水を当てながらやると良いでしょう。中にはウロコが硬すぎたり、びっしりと皮に付いていて取りきれない魚もいるので、そのような時は後述の「すきびき」が有効な手段になります。
おすすめの市販のウロコ取りグッズ3選

写真提供:デュフデュフ
市販されているウロコ取りの中で、使いやすいものを3つご紹介していきます。
遠藤商事 業務用うろこ取り
もっともメジャーなタイプのウロコ取りです。タイやスズキなど比較的大型でウロコの大きい魚など万能に使えます。
ベルモント ハイパーうろこ取り
円鱗系の魚に特におすすめ!飛び散りにくく、綺麗に取れます。
がまかつ GM-1314 うろこ取り
何と言ってもウロコが飛び散らない設計が特徴的な逸品です。柄のついた取手があるので棘が鋭い魚に便利です。
ウロコを取るのが難しい魚の対処法
ここまでは一般的な方法を紹介しましたが、ウロコの取り方は千差万別!特に厄介な魚のウロコの取り方について、コツを紹介します。
細かい鱗が厄介な時の対処法① 包丁を使った「すきびき」

写真提供:デュフデュフ
櫛鱗系の大型の魚で用いられる方法です。固くこびりついている櫛鱗をよく切れる柳葉包丁などで鱗をすきびくことで、魚の身に与えるダメージを最小限に抑えることができ、身の品質を高い状態に保つことができます。

写真提供:デュフデュフ
うまくいけばこんな感じの丸裸になります。すきびきはウロコが極端に大きく、とても堅く付いていてウロコ引きでは取れないような魚の場合も非常に有効な手段です。
細かいウロコが厄介な時の対処法② 「金たわし」で一掃
「すきびき」は良い包丁と技術があってこその方法です。慎重にやると時間もかかります。多少、身が崩れてもへっちゃら!という人におすすめなのが”金たわし”でゴシゴシ擦る方法。かなり楽にウロコを落とせます。衛生面を考慮してコンロ掃除用とは別にウロコ落とし用を用意しましょう。
細かいウロコが厄介な時の対処法③ ペットボトルのキャップでこそぐ
ブリなどの大きくて細かいウロコが飛び散りやすい魚に効果テキメンです。ペットボトルのキャップの程よい硬さがウロコをこそぎ落とし、フタ部分が鱗の飛び散りを防ぎます。
美味しく食べるには綺麗に正しくウロコを取るべし!
おいしい料理を作るコツは細かい点にも気を配ることです。せっかく綺麗にさばいたお刺身でも口に入れたときにウロコが口の中に残るとガッカリするでしょう。また、適切なウロコの取り方ができれば魚の処理にかかる時間も、その後の掃除の手間も短縮することができます。ぜひそれぞれの魚にあったウロコの取り方をマスターして上手にお魚を食べましょう。