
アクアリウムを始めたい方へ!歴史からレイアウト、費用まで総まとめ!
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アクアリウムとは

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アクアリウムとは水生生物を主に水槽を用いて飼育することで、水族館のような大規模な飼育施設から個人の趣味に至るまで、規模に関しては問いません。水生生物を生きたまま観察できることが最大の特徴で、単に鑑賞を目的にしたものや生態の研究を目的にしたものなど、今日では数多くのアクアリウムが存在しています。
個人の趣味としては鑑賞や飼育そのものを楽しむことが主目的で、色鮮やかな熱帯魚を群永させたり、水草や石組みなどで上手くレイアウトされたアクアリウムは抜群のインテリア性を発揮します。
アクアリウムの歴史

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現在では世界中で広く親しまれているアクアリウムですが、どのような経緯で現在の形に落ち着いたのでしょうか。ここではアクアリウムの歴史についてご紹介します。
アクアリウムの起源
アクアリウムの起源については諸説あるので、ここで紹介するのはあくまでもその一説です。魚を飼育すること自体は、古代エジプト文明の頃にはすでに行われていました。
しかし、古代エジプトでは観賞する目的ではなく食用魚の保存を目的としており、アクアリウムというよりは生け簀のようなものでした。鑑賞目的での飼育は2000年ほど前の古代中国で始まったと言われています。
少なくとも宋代には屋内に陶器製の容器を持ち込み、その中で金魚を飼育していた記録が残っているようです。
趣味としてのアクアリウムが定着したのはいつ?
アクアリウムが大衆に広く知れ渡ることになったきっかけは、1851年のロンドン万国博覧会でした。同博覧会では、華やかで大規模なアクアリウムが展示され人々の関心を呼びました。
アクアリウムが趣味として定着し始めたのは第一次世界大戦が終わった後からで、一般家庭への電気の普及が関係しています。電気によりろ過装置や照明器具、ヒーターなどが使用可能になり、飼育環境の管理が格段に容易になったのです。
アクアリウムにおける水槽の変遷
アクアリウム用の水槽は、当初はテラリウムの容器を改造したものでした。枠付きのガラス水槽で、水槽水を火で加温するために、枠と底面は鋳鉄で作られていました。その後、技術の発展とともにステンレスやプラスチックが使用されたフレーム水槽が誕生。
石油化学の発達にともないアクリル樹脂が誕生すると、その強度と透明度から水槽にも使用されるようになりました。現在では、パネルをシリコンで接合したり曲げガラス加工を施し、より鑑賞性を高めたフレームレス水槽が主流になっています。
アクアリウムで飼育できる生物
現在では様々な水生生物の飼育法が確立されており、家庭でも水槽で飼育できる種類は多いです。ここでは、アクアリウムで飼育できる生物の一例をご紹介します。
金魚

金魚は古くから日本で親しまれてきた改良品種で、元になった魚はフナなのでそれなりに大きくなります。若魚の頃は30cmクラスの水槽でも飼育できますが、最終的には60cmクラス以上の水槽が必要です。人気の品種としては、背ビレがなくずんぐりとした体形の「らんちゅう」、体高が高くてヒレが豪華な「琉金」、茶褐色の体色が特徴の「茶金」などが挙げられ、他にも多様な品種が作出されています。
水温や水質の許容範囲が広くて丈夫なため飼育は容易で、毎日の給餌や定期的な換水、酸欠防止のエアレーションなど観賞魚の基本を守れば初心者にも優しい魚種です。
メダカ

メダカは日本産の淡水魚で、野生種は透明感のある体にやや黄色がかる体色をしていますが、現在では観賞価値を高めた改良品種が多数作出されています。メダカは成魚でも体長3~4cm程度なので小型水槽でも終生飼育が可能です。
全身の赤色が強くなる「楊貴妃」や全身が白色に染まる「白メダカ」、錦鯉のような色合いになる「三色メダカ」などが人気の品種で、他にもいろいろな品種が作出されています。水温や水質への適応力が高くて飼育・繁殖ともに容易なので、観賞魚の飼育法や繁殖法を学ぶのに打ってつけの魚種と言えます。
熱帯魚
ネオンテトラ

赤色と青色の体色が美しい熱帯魚の代表種です。体長4cmほどの小型魚で丈夫なうえに安価と、初心者にもおすすめできる熱帯魚の入門種でもあります。
グッピー

古くからアクアリウムで親しまれている熱帯魚の代表種で、今もなお多数の改良品種が作出されています。体長3~6cmほどの小型魚で色や模様、ヒレの形などはかなりのバリエーションがあります。丈夫で飼育しやすいので入門にも最適です。
1億年以上前から存在していると言われる淡水生古代魚の代表種です。いずれの種類も大きくなりますが、中には飼育下でも1mに達する品種もいます。その大きさから設備を整える時点で大変なので、初心者にはおすすめできませんが根強い人気がある熱帯魚です。
カクレクマノミ

映画『ファインディング・ニモ』で一躍有名になった海水魚の1種です。イソギンチャクの毒に耐性があり、イソギンチャクに隠れることで身を守ります。体長は11cm程度で、オレンジ色の体色を基調に白色のバンドが3本入る可愛らしい魚種です。
キイロハギ
体長20cmほどに達するハギの1種で、黄色一色の鮮やかな体色をしています。植物食性が強い雑食性の魚で、水槽内に発生する藻やコケを食べてくれるので、海水水槽におけるコケ取り生体として人気があります。
デバスズメダイ
体長8cm程度のスズメダイの仲間で、同種の中で最もポピュラーな品種の1つです。光の当たり方次第で青色~緑色に変化する体色を持つ美しい品種で、丈夫で飼育しやすいことから海水水槽でのパイロットフィッシュとしてもよく選ばれます。
その他淡水魚
タイリクバラタナゴ

中国から流入した外来種ですが、現在では日本各地に定着しています。タナゴの中では観賞魚として最もポピュラーで、特にオスは繁殖期になると鮮やかな婚姻色を示します。
シマドジョウ

日本固有のドジョウの1種です。灰色の体色を基調に点線状に並ぶ黒色の斑点が特徴ですが、斑点がつながり直線状になる個体もいます。水質が綺麗な河川や池沼に生息しています。
その他海水魚
カエルウオ

ギンポの仲間で日本の近海にも生息しています。岩礁帯にある潮溜まりなどに生息しており、植物食性が強い雑食性の魚種なので、水槽に発生するコケや藻を食べてくれます。
パープルファイヤーゴビー(シコンハタタテハゼ)

太平洋中部から西部にかけて分布しているハゼの仲間です。頭部が黄色で魚体の前半分が紫色をしており、後半部は淡い青緑色を帯びた体色をしてます。非常に鮮やかな色合いをしている人気の温帯性海水魚です。
エビ
レッドビーシュリンプ

体長3cmほどのヌマエビの改良品種で、赤色と白色の色彩が美しい淡水生のエビです。繁殖が容易なので掛け合わせによるブリードを楽しむ愛好家もいます。
ホワイトソックス

赤色の体色を基調に足先が白色に染まり、靴下をはいているかのように見える海水生のエビです。海水魚の体表に付着した寄生虫などを捕食してくれるので、クリーナー生体として人気があります。
クラゲ
ミズクラゲ

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日本近海でも見られるオーソドックスなクラゲです。半透明の体を持ち、傘に透けて見える4つの胃腔と生殖腺が目のようであることから、ヨツメクラゲの別名を持ちます。クラゲの中では安価で飼育しやすいことから人気があります。
タコクラゲ

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口腕が8本ある姿がタコのようであることから名付けられたクラゲです。傘に入る水玉模様が可愛らしく、体色も褐虫藻の有無で青色と褐色の2種類が存在します。その容姿と遊泳性が高いことから人気の種類です。
貝
ラムズホーン

インドヒラマキガイを品種改良した淡水生の巻貝の1種で、レッド・ピンク・ブルーの色が作出されています。コケ取り用の生体として人気がありますが、水槽内でも簡単に繁殖する点には注意が必要です。
ハナビラタカラガイ

非常に美しい殻を持つタカラガイの1種で海水生です。光沢のある乳白色の殻に黄色の帯状の模様が入り、個体によってはリング状になります。水槽に発生するコケや藻を食べるので、海水水槽におけるクリーナーとして人気の貝です。
その他の生き物
アメリカザリガニ

アメリカザリガニと聞くとあまり良いイメージを持たれない方もいると思いますが、近年では品種改良により青色や白色、赤色をより綺麗にしたものなど、観賞価値の高い品種も多数作出されています。それでいて、生命力は日本に定着している野生種と大差なく、非常に飼育しやすいのでアクアリウム初心者にもおすすめの生体です。
サンゴ

環境の整備と管理ができれば、サンゴも水槽で飼育が可能です。特に成長が早くて美しいミドリイシなどの種類が人気で、水質の維持など飼育環境の管理にかなり気を使うことになりますが、サンゴ水槽の鑑賞性は一級品です。
アクアリウムの水槽の選び方

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水槽は飼育したい生体の姿形や生態、個体数で選択してください。まず、個体数に関してですが、水槽のサイズに対して飼育できる魚の適正な個体数は、「水1Lに対して1cm」と言われています。
例えば、60cmの規格水槽で体長4cmのメダカを飼育する場合の個体数を考えると、同水槽には約65Lの水が入るので、メダカの適正数は最大で16匹前後となります。
ただし、この論調だと体長60cmの大型魚が60cm水槽で飼育できることになってしまうので、あくまで小型魚を飼育する場合の目安です。
次に、生体の姿形や生態についてですが、ディスカスやエンゼルフィッシュなど体高が高い魚種は水槽の高さも重要です。また、ドジョウ類やナマズ類など、水槽の底面で生活する魚種は、床面積が重要になります。
アクアリウムに必要な道具

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アクアリウムは水槽だけでは運用できません。ここでは、アクアリウムに必要な外部機器についてご紹介します。
フィルター
フィルターはろ過を行い、水槽水が生体の飼育に適した水質を長期に維持する役割を担っています。投げ込み式や外掛け式、上部式や外部式など様々な形式が存在し、それぞれメリットとデメリットがはっきりしているので、水槽のサイズや飼育する生体に適したものを選択してください。
エアレーション
エアレーションはエアポンプを用いて水槽水に空気を送り込み、生体が酸欠になることを防止するための設備です。一般的にはチューブで配管を行い、先端に細かい気泡を生じさせるためのエアストーンを取り付けます。エアレーションには水流を発生させて水槽水を循環し、水温や水質のムラをなくす効果もあります。
照明
照明には水槽内を明るく照らし、鑑賞性を確保する目的があります。また、観賞魚も周囲の明るさで生活のサイクルが決まるので、観賞魚の生活リズムを整えて健康的な育成を可能にする目的もあります。水草を育成する場合は、成長に欠かせない光合成を行うための光源になるので、照明の選定は重要です。
ヒーター・クーラー
ヒーターやクーラーなどの温調機器は、特に熱帯魚を飼育する場合には必須になる機材です。夏や冬は生体にとって適切な水温域から外れやすいので、温調機器で水温を調節しなければなりません。故障して水温のコントロールが不可能になると文字通り致命的な事態に陥るので、消耗品と割り切って予備機は常に常備しておきましょう。
その他必要な道具
上記の他にも、特に底棲魚を飼育する場合は底床材が必要です。また、飼育環境の管理のために、水温計や水質を調べられる検査キットなども用意しておくと良いでしょう。それから、水槽は大量の水が入ることに加え、周辺機器も必要になるので合わせるとかなりの重さになります。地震などのリスクも考慮して、専用の水槽台を導入することが一般的です。
初心者には水槽セットもおすすめ!
現在では各メーカーから、アクアリウムに必要な基本的な周辺機器が同梱された、水槽セットも発売されています。中には飼育したい生体を購入してくれば、すぐにアクアリウムを始められる商品もあるので、ご利用を検討してはいかがでしょうか。
アクアリウムの始め方

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アクアリウムを始めるためには、まずは水槽を設置する必要があります。水槽を設置する場所はメンテナンス性や周辺機器類の使用を考慮して、水道や電源に近い場所をおすすめします。また、重くなることを考えて、床の強度にも注意してください。
水槽を設置したら水槽内のレイアウトを決め、底床材や流木、石組みなどを導入・配置します。水槽内のレイアウトが完了したら、エアレーションや温調機器、照明やフィルターなど外部機器の配管と設置を行ってください。その後は、水を入れてフィルターを動作させ、水を循環させます。立ち上げ当初は、ろ過に寄与するバクテリアが定着していないので水質が安定しません。
フィルターを動作させてから2~3日後にパイロットフィッシュを導入し、小まめに水換えを行ってバクテリアを定着させ、水質が安定するようになったら立ち上げは完了です。
アクアリウムのレイアウト

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アクアリウムにおけるレイアウトの基本は「三角構図」、「凸型構図」、「凹型構図」の3種類です。
三角構図は水槽の左右どちらかにレイアウトを寄せる構図。
凸型構図は水槽の中央にレイアウトを集中させる構図。
凹型構図は水槽の両端にレイアウトを配置する構図です。
物を設置する場所にメリハリをつけることで、魚の遊泳スペースを確保するとともに水槽内を美しく魅せられます。また、背の低い水草を水槽の前面に、背が高い水草を背面に配置することで遠近感を出し、水槽の奥行きを感じさせる手法も一般的です。
アクアリウムの混泳について

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色々な生体を混泳させることはアクアリウムにおける醍醐味と言えます。しかし、混泳させる場合は個体数や生体の種類に注意が必要です。
まず、個体数についてですが前述したように小型魚に関しては、水槽サイズに対する適正な個体数は「1Lあたり1cm」です。具体的には、30cmの規格水槽で4cm程度の魚を飼育する場合は3匹前後、同じく45cm水槽では7匹前後、同60cm水槽では16匹前後となります。
次に、生体の種類に関しては、混泳させる生体は同じくらいの大きさの生体にしてください。サイズ差があると小型の生体が、大型の生体に捕食される可能性が高くなります。
混泳相性が良い種類としてはカラシンやラスボラ、オトシンやコリドラスなどの小型魚が挙げられます。一方で、小型魚でもベタは別名で闘魚とも呼ばれ、同種間では激しく争うので混泳は避けた方が無難です。
アクアリウムのメンテナンスについて

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アクアリウムにおいてメンテナンスは大変に重要な作業です。アクアリウムという限られた環境で生体を飼育していると、フィルターなどでろ過を効かせていても、どうしても水質は悪化してしまいます。水質が生体の育成に適さないまでに悪化してしまうと、最悪の場合は生体が死んでしまいます。
そこで、水換えによって定期的に水槽水を交換し、適した水質を維持しなければなりません。水換えの方法は、水槽水の全量の1/3~1/4程度を交換するようにします。全量を換えてしまうと、生体にとっては水質が急変するのと同義になり、例え綺麗な水であっても大きなストレスとなって最悪の場合は死んでしまいます。
水換えが必要な頻度に関しては、飼育環境に大きく左右されるので一概には言えません。目安となるのがpHで生体を飼育していると低下してくるので、検査キットなどを用いてpHを測定し、飼育している生体の適正範囲を下回らないうちに水換えを行ってください。
アクアリウムに水草は必要?

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水草は必要かと問われれば、必ずしも必要ではありません。水草を入れない方が、管理しやすい生体もいます。しかし、水草をうまく使えば水質浄化作用を得られるので、水換えの頻度を抑えることも可能です。
また、隠れ家や産卵床にもなるので、水草がアクアリウムにおいて果たせる役割は大きいです。育成しやすい品種としてはアヌビアスナナやウィローモス、ミクロソリウムなどが挙げられます。これらの水草は陰性水草に分類され、低光量でも成長するうえにCO2の添加もあまり必要ないので、特に管理がしやすい品種です。
アクアリウムにかかる費用はどれくらい?

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アクアリウムを運用するためには水槽以外の周辺機器を揃える費用と、それらを動かすための電気代などが必要です。ここでは、アクアリウムに必要な費用をご紹介します。
初期費用
ここでは、60cm水槽で一般的な熱帯魚を飼育する場合の初期費用をご紹介します。アクアリウムを始めるためには、主に以下のものが最低限必要です。
・水槽(約4000円)
・フィルター(上部式、約3000円)
・照明(約4000円)
・ヒーター、冷却ファン(約2000円/約3000円)
・エアレーション(約1000円)
・熱帯魚(約1000円)
・熱帯魚のエサ(約600円)
これらを揃えると初期費用は19000円前後になります。60cm水槽をベースにしたのは最も普及しているサイズなので、水槽そのものと対応する周辺機器の商品単価が安いためのです。
それから、熱帯魚は10匹単位で販売されているカラシンで考えています。なお、ここで紹介したものはその他の生体を飼育するうえでもほぼ共通して必要になり、追加で用意した方が良いものもあるので初期費用の下限だと思ってください。
維持費用
アクアリウムを維持するために必要な費用は、主に生体のエサ代と周辺機器を動かすための電気代などです。まず、エサ代に関しては肉食性の大型魚でもなければ、人工飼料で十分飼育が可能です。
人工飼料は100gで600円程度で販売されており、それで5カ月ほどは持ちます。それから、電気代についてはフィルターと照明、エアレーションに加えて、夏と冬はそれぞれ温調機器を動かすための費用が必要で、これらを総合すると月あたり1000~2000円前後になります。
温調機器を動かす必要がある季節は電気代が多くかかり、特に電力消費が大きいヒーターを使う冬は顕著です。また、フィルターに導入するろ材は定期的な交換が必要で、そう頻繁に交換が必要な部材ではありませんが、その費用が生じる月もあります。
アクアリウムで注意する点

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アクアリウムを運用していると、しばしばトラブルに見舞われます。それは、鑑賞性にかかわることや、生体の生死にかかわることまで様々です。ここでは、アクアリウムで注意すべき点をご紹介します。
水汚れ・コケ
水が汚れたり、コケが発生する原因の1つに、エサの与えすぎがあります。特に食べ残したエサは水槽水を富栄養化させ、水を汚したりコケの発生を促進するので、小さな網などを用意してその都度取り除くなどの対策をしてください。
また、水槽に日光を当てることでもコケの発生が促進されます。他にも水槽に入る程度の水量では、水温の上昇を招いて溶存酸素量を低下させてしまうなどデメリットが大きいので、水槽は日光が当たらない場所に設置した方が良いでしょう。
生体の病気
観賞魚の飼育において注意すべき病気としては、「白点病」や「エロモナス感染症」などがあります。これらの病気は、水中に常在している微生物に寄生されたり感染することで発症し、放置しておくと衰弱死する場合もあります。
発症した場合は食塩を溶かした水で泳がせる塩浴や、魚病薬を用いた薬浴による治療を行ってください。観賞魚が病気になる原因は、水質の悪化による免疫力の低下が大きく関係しています。日頃のメンテナンスで水質をチェックして、適した飼育環境を維持することが1番の予防法です。
自然水域への放流は絶対NG!
飼育している観賞魚が、大きさなどの問題で飼い切れなくなったからといって、自然水域へ放流することは絶対に避けてください。特に日本に元々生息していなかった外来種を放流すると、在来種を駆逐するケースが確認されており、生態系に多大なる悪影響を及ぼしてしまいます。
外来種の放流に関連して、アクアリウム業界で衝撃的なニュースがありました。それは、熱帯魚の人気種であった「ガーパイク」が特定外来生物に指定され、2018年4月以降の新規飼育が不可能になったことです。その他にも「グッピー」が放流された結果、定着してしまい要注意外来生物に指定されています。
外来種を放流するということは、生態系に悪影響を与えるばかりでなく、飼育できる生体の選択肢を狭めてしまう結果をもたらします。どうしても手放す必要がある時は、引き取ってくれるショップもあるので、そのような店舗などを利用して放流することは絶対にやめてください。
アクアリウムはイベントも充実!
アクアリウムに関連するイベントは、国内においても複数の団体が定期的に開催しています。ここでは、主なアクアリウムのイベントについてご紹介します。
アクアリウムバス
アクアリウムバスは熱帯魚を中心に、爬虫類や小型哺乳類、両生類や水草に至るまで様々な生体を扱った即売会です。ショップのみならず個人でも出店が可能で、生体の飼育を彩る小物類の販売もされています。次回は第17回目で、2018年10月14日(日)に東京都立産業貿易センター・台東館にて開催されます。
アートアクアリウム
木村英智氏によってプロデュースされているアクアリウム展で、金魚を用いたアクアリウムで「和」を表現していることが特徴です。アクアリウムには色とりどりのLEDライトやプロジェクションマッピングなどの最新技術が用いられ、1つのアートとして完成しています。
今年で開催11年目を迎え、現在2018年7月6日から9月24日までの期間で、日本橋三井ホールにて「アートアクアリウム 2018~江戸・金魚の涼~ &ナイトアクアリウム」が開催中です。
日本観賞魚フェア
東京都江戸川区が後援している日本産の観賞魚のイベントです。金魚の品評会やメダカの改良品種の展示、有名小売店やメーカーによる生体や製品の販売などが行われています。次回開催の詳報についてはまだ出ていませんが、今年の4月14~15日にかけて江戸川区タワーホール船堀内1F展示ホールにて第36回が開催されました。
色々な魅力を内包するアクアリウムを始めよう!

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アクアリウムは意外と手軽に始められる趣味です。犬のように飼育するにあたり登録や届け出は通常であれば必要ありませんし、定期的なワクチン接種などもいらないので維持費用も意外とかかりません。
レイアウトにこだわってインテリア性が高いアクアリウムを目指しても良いですし、単に生体の飼育を楽しむなど目的も自由です。それでいて綺麗にレイアウトしようとする、上手に飼育しようとすると試行錯誤のし甲斐がある奥深さも感じられます。
何か打ち込める趣味をお探しの方に、アクアリウムは打ってつけと言えるでしょう。