【決定版】金魚の飼い方の基本!初心者でも簡単にキンギョ生活を楽しもう

【決定版】金魚の飼い方の基本!初心者でも簡単にキンギョ生活を楽しもう

金魚ってどんな魚?

観賞魚の中でも身近な存在と言える金魚ですが、その種類は膨大で品種によって特性も異なってきます。まずは、金魚という魚がどのような存在なのか見ていきましょう。

金魚の特徴

金魚の特徴

 

一口に金魚と言っても、現在では品種改良が進み、その形態は品種によって大きく異なります。大別すると琉金型と和金型に分けられ、前者は丸みを帯びた体をしており、遊泳力は高くありません。対して、後者はスリムな体つきと長い尾鰭が特徴的で、遊泳力も高いです。

 

両者に共通する点としては、観賞魚の中では飼育難易度が低め・人に懐く・大食漢で水を汚しやすい・消化不良を起こしやすい、などが挙げられます。基本的には飼育しやすい魚なのですが、一方でデリケートな面もあるので、ポイントを押さえた飼育をしないと長生きさせることは難しい魚とも言えます。

金魚の歴史

金魚の歴史

 

金魚の歴史は諸説あります。しかし、現在の定説では、約2000年前の中国において、突然変異で全身が赤色になったフナが発見され、その形質の固定化に成功したことで誕生したと言われています。

 

日本国内には室町時代の中期に、当時の中国である明から伝わりましたが、当時の金魚は貴重で、もっぱら特権階級に飼育されるに限られていました。一般市民にも認知され始めたのは江戸時代、1800年代に入ってからで、世の中が安定して手が空いた武士たちが、金魚の養殖を始め値段が下がったことがきっかけとされています。

 

それ以降、国内においても品種改良が盛んに行われ、現在では多様な品種が存在する代表的な観賞魚の地位を確立しています。

金魚の成長速度・最大体長

金魚は大きくなる

 

金魚の成長速度は水槽の大きさや餌の量、水温といった飼育環境によって大きく左右されますが、一般的には水槽が大きいほど・餌を与える量が多いほど・水温が高いほど、大きくなる速度が早いとされています。

 

また、一般的な金魚の体長は15~20㎝ほどですが、品種によっては30㎝以上になることもあります。中には、大型に成長するように品種改良が進んだ金魚もいます。

金魚の寿命

金魚の寿命は長い

 

金魚の平均的な寿命は10~15年です。ただし、これは上手に飼育できた時の数字で、飼育環境に左右されることは言うまでもありません。金魚は丈夫で飼いやすいとの触れ込みから、不適切な環境で飼育され、短命に終わってしまうケースが多々見られます。

 

そのため、長生きさせてあげたいのなら、事前にしっかりと飼育する上でのポイントを押さえておくことが重要です。ちなみに、 金魚の最長寿記録は驚きの43年で、1999年のイギリスでギネス記録に認定されました。

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金魚はとっても種類(品種)が多い観賞魚

いろんな種類の金魚

 

金魚は非常に種類が多く、全体では100種類以上にのぼるとも言われています。日本国内では約30種類が品種として認定されており、現在でも品種改良が行われているため、その数は今後増えると予想されています。

 

金魚は主に体形で種類分けされており、前述しましたが、大別すると丸みを帯びた体の琉金型と、スリムな体形の和金型に分けられます。

 

前者の代表種としては、出目金や土佐金、らんちゅうなどが挙げられ、丸っこい体でゆったりと泳ぐ様子などから、いずれも愛嬌があり古くからの人気種です。

 

後者については、和金や朱文金、コメットなどが代表的です。「フキナガシ尾」と呼ばれる、長く伸びた尾鰭をひるがえしながら泳ぐ様子が優雅かつ美しいため、琉金型とは違ったベクトルで人気を博しています。

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金魚選びのポイント(購入時)

金魚を購入する際は、なるべく状態の良い個体を選びたいものです。ここでは、金魚を購入するときのポイントをご紹介します。

元気に泳いでいて水槽前面に出てくる個体はGOOD

元気な金魚

 

状態の良い金魚は活発に遊泳しており、人に気が付くと餌をねだりに、水槽の前面や水面近くに出てきます。このような行動をとっている個体は元気な証なので、選択の候補に入れると良いでしょう。

 

遊泳力が高い和金型の種類はもちろん、あまり泳ぎが上手くない琉金型の種類でも、元気な個体は水槽内を泳ぎ回っているため、購入前によく観察することが重要です。

底でじっとしている・表層をフラフラしている個体はNG

金魚の不調の見分け方

 

周りから離れて底の方でじっとしていたり、逆に常に表層にいる個体は要注意です。これらの行動は弱っている個体がとることが多く、何らかの異常を抱えている可能性が高いので、例え色柄を気に入っても選ばない方が良いでしょう。

 

ショップでキープされている時点ですでに弱っている個体は、その後の輸送ストレスなども相まって、自宅で回復のためにトリートメントを行なっても回復しないこともあります。

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病気が出ている個体がいる水槽からは買わない

金魚が泳ぐ

 

体表や鰭が裂けていたり、充血・カビのようなものが生えているなどの症状がある金魚は、病気にかかっています。原因は細菌や寄生虫など色々ありますが、同じ水槽に病気の子がいると他の元気な金魚にもうつってしまうこともあります。

 

また、病気の金魚がいる水槽に一緒に入っている子は、その時点では元気でも連れ帰ってから発症したり、新しい水槽に病気を持ち運んでしまう可能性があるので注意が必要です。

 

基本的には、病気の子と同じ水槽にいる金魚は極力買わないのが無難です。

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金魚すくいの金魚は弱いと言われてるけど、本当?

金魚すくいは楽しい

 

金魚すくいの金魚は、ポイで追いかけ回されたり、少ない水量での過密な環境などによって大きなストレスを抱えています。金魚すくいは金魚にとっては過酷な環境であり、すくった直後の金魚は弱っていることが多いため、金魚すくいの金魚を迎え入れた時は、まずトリートメントを行って金魚の体調を整えることが重要です。

 

トリートメントを適切に行うことで、たとえ金魚すくいの弱っている金魚でも元気を取り戻すことができ、そうすれば、長生きしてくれる場合も多々あります。トリートメントの方法については後程、詳しくご紹介します。

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金魚の飼育に必要な器具

金魚を飼育するには、適した道具を揃えなければなりません。ここでは、それらの器具類をご紹介します。

飼育容器(水槽・金魚鉢など)

金魚の飼育容器と聞くと、金魚鉢を思い浮かべる方も多いと思われますが、初心者の方は特に水槽での飼育をおすすめします。というのは、金魚鉢は一般的に、運用できる水量が水槽よりも少ないため、水温・水質が安定しづらく長期維持が難しくなってしまうからです。

 

水温や水質は水量が多いほど安定しやすくなるので、予算や設置スペースと相談して、なるべく大きな水槽で飼育することをおすすめします。終生飼育するためには少なくとも45cmクラスの水槽が必要で、60cmクラス以上の水槽があると理想的です。

水槽台

金魚に限らず観賞魚を飼育する際は、水槽台は必ず用意しておきましょう。水槽は、大量の水を運用する関係上、かなりの重量があり、一般的なラックなどでは耐荷重に不安があるからです。

 

また、防水面も考慮されていないと腐食やカビの原因になり、快適なアクアリウム生活が縁遠いものになってしまうことからも、専用の水槽台の使用がおすすめです。

フィルター

金魚は水を汚しやすい魚種なので、フィルターはろ過能力に優れる形式がおすすめです。体長数cmの仔魚期であれば、外掛け式やブクブクとも呼ばれる投げ込み式などの、簡易的なものでも問題ありません。

 

しかし、体が大きくなるに連れてそれらの形式では能力不足になり、水質の維持に頻繁な換水が必要になってしまいます。水換えをあまり頻繁に行うと金魚にとってもストレスになるため、上部式や外部式といった強力な形式を導入することをおすすめします。

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照明器具

金魚の生物時計を整え、健康的な成育を可能にするためにも照明器具は必要不可欠です。金魚も暗くなると眠り、明るくなると活発に活動するサイクルを構築できないと、ストレスになって健康を害してしまいます。

 

照明器具は、観賞魚用に販売されていて水槽サイズに適合しているのなら、任意のもので構いませんが、タイマーでON/OFFをコントロールできると便利です。例え、照明自体にその機能がなくとも、外付けのコントローラーで制御する方法もあります。

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ヒーター

金魚を冬眠させない場合、水槽用ヒーターもおすすめです。特に、初心者の方にとって金魚の冬眠は難易度が高いため、ヒーターを用いて通年で保温して飼育した方が良いでしょう。保温してあげることで、金魚は年間を通して活動が可能になるので、毎日の餌やりなどのコミュニケーションもはかどります。

 

ちなみに、水槽用ヒーターは消耗品です。不意の故障などに対応できるよう、予備は必ず用意しておきましょう。

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エアーポンプ

金魚の酸欠防止にエアーポンプも用意しておきましょう。特に、夏場は水温の上昇とともに溶存酸素量が減少するため、酸欠防止にエアレーションは欠かせない要素になります。

 

エアレーションを施すことで水槽内に対流が発生するため、止水域の発生を防止して水質悪化の抑制効果も得られます。

水温計

金魚は変温動物であるため、水温の変化にとても敏感です。急激な温度変化などは病気などの原因にもなりますので、日頃から水温はしっかりとチェックしておく必要があります。

 

また、ヒーターなどの故障も、水温計があれば早期に発見できますので、ぜひ用意しておきましょう。

カルキ抜き(塩素中和剤)

金魚の飼育水は水道水を必ずカルキ抜きしてから使う必要があります。一晩汲み置きや煮沸させることでも抜けますが、市販のカルキ中和剤を使用することで、瞬時にカルキ抜きができます。

 

カルキ抜きがあれば水換えも素早くでき、非常に便利です。

底砂

底床材は敷かなくても問題ありませんが、敷いた方が金魚が落ち着きやすく、鑑賞性も向上します。ただし掃除のしやすさを考慮して、水槽底部が隠れる程度に薄く敷いておきましょう。

 

また、金魚は底に落ちた餌などを食べるために、底床材をついばむ性質を持ちます。そのため、簡単に口に入ってしまうサイズだと、誤飲の危険があります。

 

誤飲しても通常なら、フンと一緒に排出されるため問題にはなりませんが、消化器官が傷付き病気になるリスクもあるため、できれば口に入らない大きさで角が丸いものを選びましょう。

掃除用品(バケツ・ホースなど)

金魚を飼育する上で、掃除は欠かせない作業になるので、掃除用品も揃えておきましょう。バケツやホースはもちろんのこと、水槽内壁を磨くためのスクレーパーや、底床掃除用の底砂クリーナーなどがあると便利です。

 

後は、配管などを掃除するためのパイプブラシなど、導入している機材を清掃するための掃除用品も用意しておくと、スムーズにメンテナンス可能です。

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初心者には水槽セットがおすすめ

全くの初心者の場合、最低限の機材と水槽が同梱された水槽セットを利用すると便利です。昨今の熱帯魚やメダカブームを反映して、各メーカーから色々な水槽セットが販売されています。

 

その内容としては、フィルターや照明器具がセットになった簡単なものから、それ1つで水草水槽を開始できる本格的なものまで、実に様々です。

金魚用の水槽セットも販売されていますが、その多くは45cm規格水槽に満たないサイズの水槽に、投げ込み式フィルターなどがセットになっているため、終生飼育には不向きと言わざるを得ません。

 

熱帯魚向けの水槽セットの中には、60cmクラスの水槽に外部式や上部式が同梱されているものもあるため、そのような商品の中から選択すると、金魚が大きく育っても余裕を持って飼育が可能です。

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金魚の飼い方の基本

金魚を適切に飼育するためには、金魚にとって快適に感じる水環境を知っておく必要があります。ここでは、基本的な金魚の飼育方法をご紹介します。

水質・水温

金魚は適応力が高いので、水質は中性付近をキープできれば問題ありません。しかし、特に国産の個体は弱アルカリ性の水質を好む傾向にあります。もし、少しでも発色を良くしたいなどの事情があるのなら、中性よりも弱アルカリ性の水質で飼育すると良いでしょう。

 

水質をアルカリ性側に傾けるには、一例として、牡蠣殻をフィルター内に入れる方法があります。現在では、それらの飼育用品も普通に市販されているので活用すると便利です。

 

水温に関しては、 金魚は5~35℃程度と幅広い水温で生存可能です。しかし、活動に適した温度となると、15~28℃ほどに限られてきます。

 

特に、水温が10℃を下回ってくると金魚は冬眠の準備に入ってしまうため、冬場はヒーターを用いて保温してください。また、夏場も場所によっては高温になるため、水槽の設置場所を工夫したり、必要に応じて冷却ファンなどを使用しましょう。

水槽サイズ・フィルターと飼育密度(飼育可能な匹数)の関係

金魚に限らず水生生物の飼育では、水槽サイズ(水量)に対して適切な個体数があります。なぜなら、個体数が多いほど発生する有害物質の量が多くなり、水質の維持が難しくなるからです。強力なフィルターを使用しても、水槽という限られた環境では有害物質の蓄積を防ぐことはできません。

 

ただ、蓄積速度を遅らせることは可能なので、定期的な水換えさえ怠らなければ、フィルターの能力が高いほど、多くの個体の維持が可能になります。

 

金魚の場合、安全に飼育できる個体密度は体長によって変わってきます。目安としては、 体長5cm程度までの個体1匹につき水10L程度、同じく 体長10cmまでで水20L程度と言われています。

 

45cm規格水槽で金魚を飼育する場合を考慮すると、同水槽には約29Lの水が入るため、目安の個体数は体長5cmまでで3匹ほど、体長10cmまでなら1~2匹です。

 

同じく60cm規格水槽の場合は満水で約60Lの水が入るので、体長5cmまでが6匹ほど、体長10cmまでが3匹ほどになります。

金魚同士の混泳相性

金魚同士の混泳は、琉金型なら琉金型と、和金型なら和金型と、体形別に行う必要があります。なぜなら、琉金型と和金型を混泳させると、遊泳力に劣る琉金型が餌の取り合いに負けて、弱ってしまうことがあるからです。

 

また、出目金系統の場合、和金型が衝突すると当たり所によっては目がとれてしまうこともあります。

 

性格的には問題ないのですが、品種によって遊泳力に差があることを考慮して混泳させないと、思わぬ事故につながってしまうので注意してください。

水換えの頻度・量

まず、水換えの量については、 全量の1/4~1/3位が目安です。あまり多くの量を換えてしまうと、水温や水質が急変して金魚がストレスを感じてしまうので注意してください。

 

水換えの頻度に関しては、水槽の環境に大きく左右されるため、一概に目安を示すことはできません。一般的には、週に1回などと言われることもありますが、個体数に対して十分な量の水で飼育してろ過を効かせていれば、それ以下の頻度でも問題ない状態を作れます。逆に、過密であったりろ過が不十分なら、週1回の換水でも水質の維持ができないこともあります。

 

水換えのタイミングを計るのに硝酸塩などの有害物質の濃度があり、それらは市販のテスターを使用すれば簡単に大まかな値を知ることが可能です。

 

そのため、水換え後から定期的にテスターを用いて水質をチェックし、ご自身の水槽環境で各種有害物質が蓄積していく速度を調べておくと良いでしょう。そして、有害物質の濃度が問題になる前に、水換えを行ってください。

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金魚を水槽に導入する際の手順

金魚を入手した時は、いきなり自宅の水槽に入れてはいけません。なぜなら、水温や水質などが激変すると、金魚が死亡する危険があるからです。ここでは、金魚を安全に水槽に導入する際の手順を解説します。

1.温度合わせ

急な温度変化は金魚にストレスを与えてしまい、最悪の場合、死んでしまうこともあります。

 

金魚を連れて帰って来たら、まずは金魚を袋に入れたまま水槽に浮かべ、袋の中の水と水槽の中の水温が同じになるまでそのまま待ちますが、これを温度合わせと呼びます。温度合わせは30分程度行ってください。

2.水合わせ

温度合わせの次は、もともと入っていた水槽の水質から自宅の水槽の水質に慣らす 水合わせという作業を行います。金魚にとっては、水質も温度と同じくらい重要な要因ですので、必ず行いましょう。

 

金魚が入っている袋の中の水を1/4〜1/5程度捨て、同じくらいの量の水槽の水を足し、10~20分程待ちます。そしてまた袋の水を少し捨てて水槽の水を足す・・・この作業を3〜4回繰り返しましょう。

 

水合わせを終えたら、金魚だけをすくって水槽に放します。元の水は病気の持ち込みなどを極力防ぐために、自宅の水槽には入れないようにしましょう。

塩浴や薬浴を取り入れる場合も

金魚を水槽に入れる前に、塩浴や薬浴を行う場合もあります。金魚の体力回復や病気を取り除くために行うもので、トリートメントとも呼ばれます。塩浴は水1Lに対して5gの塩を溶かした水(0.5%塩浴)を、薬浴は金魚用の薬剤を規定量入れた水を使います。

 

どちらもカルキ抜きをした水を使用し、温度合わせ・水合わせをした後に金魚を入れるようにしましょう。

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季節ごと(シーズン別)の金魚飼育のコツ

金魚の飼育において季節ごとの注意点をまとめました。

冬の寒さも薄れだんだんと気温が上がり始める春は、冬の間寒さにじっと耐えた金魚が活発になり始める時期です。春から初夏にかけては 金魚の産卵期でもあります。

 

また、この季節は温度変化が激しく金魚が病気にかかりやすい時期なので、いつもと違ったところがないかよく観察し、できるだけ早く病気を発見できるように努めましょう。

夏は強い日差しと外気温が高いことによる水温の上昇や、急激な水質悪化に注意が必要です。直射日光が当たらない場所に水槽を置き、水温が上がりすぎるのを防ぎましょう。また、夏場は金魚がよく成長する時期で餌をたくさん食べます。

 

食べ残しやフンも増えるため特に水質が悪化しやすい時期なので、水換えの頻度などに配慮し飼育水が汚れたままにならないようにしましょう。水温が高いと水中の酸素量が少なくなるので酸欠にも気を付けましょう。

秋になっても気温が高い日が続くことがあります。こういった時は夏と同じような管理を心がけましょう。冬が近付くに連れて寒暖の差が大きくなり、春と同様に病気にかかりやすくなりますので、急に冷え込んだり気温が上がったりした時は、水温の急激な変化に注意しましょう。

 

気温が下がるに連れ水温も下がり、金魚の動きも鈍くなってきますが、病気によって元気がない可能性もあるので金魚の様子を注意深く見守りましょう。

冬は一年の中で最も水温が低くなり、金魚が一番活動しなくなる季節です。この時期は消化不良を防ぐため餌の量を控えめにします。餌の量が少なくなることから水質悪化のスピードも遅くなるため、水換えの頻度も低めで大丈夫です。

 

また、水温が15℃を下回る場合はヒーターを導入して保温してあげるのも良いでしょう(特に外国産はヒーター推奨です)。

 

主に国産の金魚で、水温5〜10℃で安定している環境であれば金魚は冬眠状態に入るため、ヒーターを入れなくても大丈夫な場合もあります。ただし、金魚飼育初心者は餌切りや水換えのタイミングを図るのが難しいため、国産金魚であってもヒーターに頼った飼育が無難です。

 

冬眠中は餌はあげないようにし、水も減った分を足すだけにしましょう。

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金魚の餌

金魚の餌

 

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金魚用の餌は、主に人工飼料と生餌に分けられます。

 

人工飼料は、金魚の成育に必要な栄養素がバランス良く配合された総合栄養食で、基本的には、これ1つでも飼育できるようになっています。

対して、生餌はアカムシなどの小動物を与えるもので、嗜好性と栄養価に富む反面、こればかりを与えていると栄養が偏ってしまいます。そのため、メインに人工飼料を与え、おやつ程度に生餌をあげると良いでしょう。

与え方としては、1日に1回または2回に分けて、それぞれ2~3分以内に食べられるだけの量を与えてください。金魚には満腹中枢が存在しないと言われており、餌を与えると与えた分だけ食べてしまいます。

 

餌の食べ過ぎは消化不良の原因になりますし、残餌が出ると水質の悪化スピードが速くなるので、基本的には時間を決めて、その中で食べられるだけの量を与えるようにしてください。

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金魚水槽のレイアウトのコツ

金魚水槽のレイアウト

 

金魚水槽のレイアウトの方向性は、金魚の維持管理を重視するか、水景を重視するかで変わってきます。ここでは、レイアウトを考える際のコツについて見ていきましょう。

まずはレイアウトor金魚、どちらがメインにするか

水槽レイアウトの方針は、金魚の維持管理を重視するか、水景を重視するかで変わってきます。

 

金魚の維持管理のしやすさを重視するなら、水景を整える目的のアクセサリー類を何も入れない 「ベアタンク」が理想です。

 

金魚はフンの量が多い魚種なので、頻繁な底部の掃除が必要になります。掃除のしやすさだけを考えれば、ベアタンクの方が圧倒的に有利です。ただし、アクセサリー類が何もないと、アクアリウムとしては殺風景になってしまうのが難点でもあります。

 

対して、水景を重視して石組みや水草などを入れた 「レイアウト水槽」は見栄えが良く、インテリアとしても抜群の存在感を発揮します。しかし、それだけ水槽内にものが多くなると、当然ながら掃除などのメンテナンスがしづらくなってしまいます。

 

アクアリウムに求めるものは人それぞれなので、ご自身が金魚水槽において、どのような要素を重視したいかを考えてレイアウトすると良いでしょう。もちろん、ベアタンクとレイアウト水槽の中間のようなレイアウトをしても、維持さえできれば問題ありません。

水草は食べられてしまうことも

金魚水槽に水草を入れる場合は、食害に注意が必要です。金魚は雑食性で植物質のものも良く口にするため、たいていの水草は食べてしまいます。

 

特に、金魚藻とも呼ばれる マツモやオオカナダモ(アナカリス)などは、葉が柔らかく食べやすいためか金魚の好物で、水槽に入れておくと十中八九食べられてしまいます。

 

食べられることを前提に、おやつとして入れておく分には問題ありませんが、ちぎれた水草が景観を悪くしてしまうので注意が必要です。

レイアウトとして入れるのなら、葉が硬く食べられにくい アヌビアス・ナナやミクロソリウムなどの種類が向いています。

流木などの尖ったアクセサリーは使用しない方が無難

金魚の飼育においては、流木のような尖った場所があるアクセサリー類は、水槽に入れない方が無難です。なぜなら、金魚は鰭が長い品種も多いため、鰭を引っ掛けやすく、そうなると鰭が裂けてしまうことがあるからです。

 

また、出目金などは泳ぎが上手くないので障害物にぶつかりやすく、尖った場所にぶつかるとケガをする恐れもあるので、注意してレイアウトしましょう。

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金魚飼育で注意したい病気

金魚の病気には様々なものがありますが、特に注意したいのが エロモナス症と消化不良です。

 

エロモナス症は、「エロモナス菌」によって引き起こされる病気の総称で、具体的には、目が飛び出す「ポップアイ」・鱗が逆立つ「松かさ病」・腹部に水が溜まる「腹水病」などを発症させます。

 

消化不良は、それだけなら大したことはないのですが、そこから通常の姿勢を保てなくなる「転覆病」や、腹水病を発症することがあるので要注意です。

 

これらの病気は適切な飼育ができていれば発病しないため、飼育環境の維持管理や正しい給餌を行い、予防することが最重要になります。

 

万一、発病してしまった時は、魚病薬を用いた薬浴を行って治療します。エロモナス症に対する効果的な薬剤は、観パラDやグリーンFゴールドなどの抗菌薬です。

 

消化不良の場合は、一時的に給餌を停止したり、水温が低いときは20℃以上に上昇させて、金魚の活性を高めることが効果的です。

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金魚の飼い方におけるその他の疑問点を一気に解消!

ここでは、初心者の方が疑問を抱きやすい事柄について回答していきます。

ポンプなし(エアレーションなし)でも金魚を飼育できる?

結論から言うと、エアレーションなしでも飼育は可能ですが推奨はできません。エアレーションなしでも問題ない状態の一例をあげると、水面の面積を十二分に確保できるプラ船のような大型容器で、金魚のストレスにならない程度の対流を生じさせることができるような環境です。

 

エアレーションがあった方が、酸欠防止の面でははるかに維持管理が楽になるので、特に初心者の方はエアレーションに必要な道具一式を揃えることをおすすめします。

金魚は水槽で繁殖できるの?

金魚は水槽内でも繁殖可能です。しかし、繁殖に挑戦する前に、きちんと最後まで面倒を見切れるか、考えてから取り組む必要があります。

 

ここまで記事をご覧になったのなら、金魚の飼育には多くの水量が必要であることはお分かりいただけたと思います。考えなしに金魚を増やしてしまうと、飼育崩壊につながるので注意してください。

 

金魚を繁殖させるには、水温や水質を適した状態にキープすることが重要です。また、親魚は卵や稚魚を見つけると食べてしまうため、産卵が確認されたら隔離する必要もあります。

 

誕生した稚魚は体が小さく、餌が口に入らないと食べられずに餓死してしまうので、稚魚用の餌を用意することも忘れないでください。

金魚水槽の水が濁った!原因と対策は?

金魚水槽の水が濁る原因は、主に飼育水の富栄養化が考えられます。餌やフンなどから溶出した有機物が、飼育水中に溜まってしまっている状態です。通常なら、バクテリアが分解・吸収してくれるのですが、水槽を立ち上げて間もない頃や、何らかの理由で水槽内のバランスが崩れた時に発生することがあります。

 

濁るだけならまだ良いのですが、放っておくとコケ類が大繫茂する原因になるため、速やかに解消しましょう。解消法としては、水換えが挙げられます。水換えを行ってもすぐに濁る場合は、水換えの頻度や給餌の方法が適切であるか、見直してみてください。

フィルターは汚れたらすぐに交換するべき?

汚れたらまずは洗浄しましょう。汚れるたびにフィルターを交換していたら、維持費がとんでもないことになってしまいます。正しい使い方をした上で、定期的に手入れをしておけば、フィルター本体については、頻繁に交換が必要なものではありません。

 

ただ、ろ材については普通、本体よりも早期に寿命が来るので、交換が必要になります。目安としては初期のボリュームがなくなったり、ボロボロになったタイミングで、そのようなろ材を使用してもろ過能力を発揮しなくなるため、新しいものと入れ替えましょう。

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金魚の飼育にLet’s チャレンジ!

金魚飼育は楽しい

 

今回は、金魚を飼育する上で覚えておいて欲しいことをまとめました。これから金魚を飼おうと考えている方は、今回記事で紹介した内容をしっかりと押さえていただければ、スムーズに金魚飼育にトライできるはずです。

 

金魚は適切な飼育を心がければ、とっても懐いて長生きしてくれる観賞魚です。ぜひ、ご自宅で、可愛い金魚に癒されてみてください。

 

 

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