
【永久保存版】メダカの飼い方入門!必要な道具と屋外・屋内別の飼育法
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メダカの飼育って難しい?

提供:佐藤さん家のめだか
メダカの飼育は学校の学習教材にも用いられるように、ポイントさえ押さえておけば誰でも簡単に楽しむことができます。特に、固定化して長い時間が立っているヒメダカや幹之メダカ、楊貴妃メダカなどは体質的にもとても丈夫で飼いやすい品種と言えます。

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一方で、最近では改良メダカが空前の大ブームとなっていますが、最近作出されたばかりのメダカはヒレが長かったり、目が飛び出ていたりと本来のメダカの体の姿とは大きく異なっています。これらのメダカは、基本の飼育方法は他のメダカと同じですが、やや少しコツが必要な部分もあります。
あまり神経質に考えすぎるのはよくありませんが、メダカ飼育の初心者は丈夫な品種から飼育を始めてみて、徐々に難しい品種にトライしてみると良いでしょう。
メダカってどんな魚?
そもそもメダカとは一体、どんな魚なのでしょうか。まずは、メダカの特徴や生態などをご紹介します。
メダカの特徴

出典:写真AC
メダカは日本の平地の池や湖、水田、河川の下流域の流れのゆるいところなどに生息する淡水魚の仲間で、数十〜百匹ほどの群れで生活し、全長は4cmほどと小さな魚です。
目が比較的上の方についていることから、漢字で「目高」と書くことからこの名がついたとも言われています。最近では品種改良された改良メダカが人気を博しています。
メダカの生態

出典:写真AC
めだかはプランクトンを中心とした雑食性で、目と同じく高い位置にある口を使って水面に漂う餌を食べます。昼行性で明るくなると水面上で行動を開始し、夜間には少し深いところや水草の中でじっとして過ごします。
産卵は春〜秋で、一度に10~20個程度の卵を毎日のように連続して産みます。
メダカの寿命

出典:写真AC
メダカの寿命は野生下と飼育下で異なってきます。野生下では天敵の存在や環境変化の激しさから1年〜2年程度と言われているのに対し、 飼育下では2~3年、長いものでは5年近く生きたメダカもいるとの記録があります。
メダカの種類

出典:写真AC
メダカは「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」を総称したもので、ただの「メダカ」という種類は存在しません。
2011年に、日本各地のメダカの遺伝子型を調査した結果、 メダカは北日本集団(=キタノメダカ)と南日本集団(=ミナミメダカ)の2つの大きなグループに分けられることが判明しました。
地域により遺伝子型が違うメダカですが、自然保護と称した放流などにより、異なる地域のメダカが交配し、遺伝子が混ざってしまうなどの問題が起こっています。

出典:写真AC
これとは別に、観賞用として繁殖・販売されている改良メダカも存在します。代表的なのはヒメダカですが、近年では「楊貴妃メダカ」「幹之メダカ」「ダルマメダカ」など、さらに様々な品種が開発されています。
現在では改良メダカの種類数は700種類以上とも言われています。
メダカの改良品種の種類については、下記リンク先ページで詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。
メダカを飼育してみたい!その前に考えてほしいこと

出典:写真AC
さて、そんなメダカを“飼ってみたい”と思った方もいるのではないでしょうか。メダカは初心者でも簡単に飼うことのできる魚ですが、メダカを飼うにあたって一つだけ大切なことがあります。それは、「一度飼ったら責任を持って最後まで飼うこと」です。
これは他のペットにも当てはまりますが、飼えなくなったら近所の川に放す…なんてことだけは絶対にしてはいけません。 元々住んでいた生き物が減少・絶滅し自然破壊に繋がることがあるからです。一度飼った生き物は最後まで面倒をみてあげてください。それが一番生き物にとって幸せなことなのです。
メダカの飼育に必要なもの
メダカを飼うのに必須なも器具は意外に多くありません。メダカ飼育に必要なものをご紹介します。
飼育容器
メダカを入れる飼育容器は屋外であれば、睡蓮鉢やプラ舟(トロ舟)、屋内であれば水槽が良いでしょう。飼育容器の大きさはメダカの匹数に合わせて選びます。
基本的には 1Lの水量に対して1匹程度のメダカの数になるような容器を選ぶと飼いやすいです。ただし、メダカは表層付近をよく泳ぎ回るので、水面の表面積が大きな容器が好まれる傾向にあります。
メダカに最適なトロ舟については、下記リンク先記事で詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。
底砂
メダカは本来は、水田や小川に生息しています。そのため、底砂としてはその環境に似たものを用いると良いでしょう。大磯砂、砂利、ソイルなどは比較的使いやすくおすすめです。
また、メダカの専用土や砂が各メーカーから発売されており、水質浄化や水質安定を手助けしてくれる商品も多数ありますのでおすすめです。
水草
水草はメダカの隠れ家や産卵床として利用されるため、入れてあげると良いでしょう。産卵床として水草を入れる場合は、メダカの卵が産みつけられるように細くて柔らかい葉をもつ水草が良いでしょう。
飼いやすい水草として マツモ・カボンバ・アナカリスなどが挙げられます。また、浮き草であるホテイアオイも根っこが産卵床になるのでおすすめです。
また、水草は水質浄化の効果もあるので、そういった点でも入れるメリットがあります。
メダカにおすすめの水草については、下記リンク先で詳しくご紹介しています。
カルキ抜き
水道水をそのまま使うと、水道水に含まれている塩素によってメダカはエラなどに大きなダメージを負ってしまいます。
水道水をバケツに汲んで1日おけば塩素は消えますが、即効性のあるカルキ抜きを用いるほうが、日々の水換えがストレスなくおこなうことができるのでおすすめです。
水質調整剤
カルキ抜きと併せて水質調整剤を使うことも重要です。水の中には、目には見えない重金属が含まれている場合もあり、中にはカドミウムなど魚にとって悪影響を及ぼすものもあります。
水質調整剤には、そのような金属の除去や魚の粘膜の保護を目的とした成分が入っています。
また、水中の有害有機物質を分解し、水の環境を良くしてくれるバクテリアが含まれたものも市販されています。中にはカルキ抜きを含んだ水質調整剤もあるので、用途をよく確認し、自分にあったものを探してみると良いです。
カルキ抜き・水質調整剤については下記リンク先でも紹介しています。
フィルター
フィルターは必須の器具ではありませんが、特に水槽飼育をおこなう場合はフィルターをつけることで大きなメリットがあります。
フィルターを導入することで、より水質を綺麗に保つことができ、酸素もしっかりと供給できます。
また、同じ大きさの容器でもフィルター次第では飼育できる匹数も増やすことができます。メダカは水流が強い環境を好まないので、水流が発生しづらい投げ込み式フィルターやスポンジフィルター、水量が調整できる外掛け式フィルターがおすすめです。
掃除用品
日々のメンテナンスをおこなう上で、水替えポンプやバケツ、コケ取り用のスポンジなどはあったほうが良いでしょう。
特に水替えポンプは飼育容器底面のゴミを吸いながら水替えができるのでおすすめです。日々のメンテナンスも効率よくできるように掃除用品はしっかりと用意しておきましょう。
初めてメダカを飼うなら、飼育セットがおすすめ
初めてメダカ飼育にチャレンジする人は、メダカ飼育に必要なものがまとまった飼育セットがおすすめです。こだわりたいものが出てきたら、個々の必要器具はグレードアップスレbクァ良いと思いますが、最初は飼育セットで一式を揃えてしまうのも良いでしょう。
テトラ メダカの繁殖を楽しもう
スリムかつロータイプの水槽で、横見でも上見でも楽しめる水槽セットとなっています。繁殖まで見据えたセットになっていて、稚魚が産まれた際に隔離するネットも付属しているのは初心者にも嬉しいポイントです。
ジェックス メダカ元気 かんたん飼育セット L
横幅が約40cmと広々としたサイズの飼育セットで、水量は約11L入るので10匹程度のメダカでも余裕を持って飼育できる計算になります。フィルターはシンプルな投げ込み式で、メンテナンスも簡単なのも初心者におすすめです。
メダカの飼育に適した水温・水質

出典:写真AC
メダカは丈夫な魚であるため、広い水温・水質に対応することができますが、メダカにも好ましい条件があります。水温と水質について詳しく見ていきましょう。
メダカに適した水温
メダカは0℃近くから35℃程度の高水温にまで耐えられる魚ですが、最適な水温は23~28℃程度です。夏場の屋外などで水温が上がりすぎる場合は、すだれなどを使って日光を遮ってあげると良いでしょう。
反対に冬場の寒い時期は、ヒーターなどを用いて水温を安定させた方が、病気のリスクなどを減らすことができるのでおすすめです。
メダカに適したph
メダカは中性から弱アルカリ性を好むと言われています。実際には、ph6.0~8.0程度までの幅広いphでも問題なく飼育することができます。
ただし、いきなりph値がガラッと変わってしまうとペーハーショックを引き起こして死んでしまうこともありますので、移動させる際は水あわせをしっかりとおこなうようにしましょう。
メダカの餌

出典:写真AC
メダカは雑食性なので基本的には色々なものを食べますが、基本的には浮遊性の人工餌を用いるのが良いでしょう。
人工飼料には成長段階に合わせた様々な種類の餌が販売されています。特に稚魚は成魚用の餌が大きすぎて食べることができないので、稚魚には専用餌をあげるようにしましょう。また、針子の初期飼料として、 ゾウリムシやPSBも用いられます。
さらに、栄養豊富な生き餌である ブラインシュリンプやミドリムシ、ミジンコなども利用します。また、めだかの体色を綺麗にする色揚げ高価のある餌もおすすめです。
メダカの餌については、下記リンク先記事でさらに詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。
メダカの飼い方〜導入編

出典:写真AC
メダカを購入してきたら、慎重に導入しましょう。メダカの購入後の取り扱いについて解説します。
まずはしっかりと温度合わせ
購入してきた場所と自宅の飼育容器では温度に差がある場合があります。30分〜1時間程度はメダカが入った袋を飼育容器に浮かべて温度を合わせましょう。
水あわせも慎重に
温度があったら、次は飼育容器の水を袋の中にコップ一杯程度入れ、15分ほど放置しましょう。この作業を3回程度繰り返し、徐々にメダカを自宅の水に慣らします。
体調を整えるために塩を入れておく
メダカ導入直後は一番体調を崩しやすいですので、病気の予防として0.5%塩浴をさせてあげると良いでしょう。水の蒸発によって塩分濃度が濃くなりすぎないように注意が必要です。
導入してから丸一日は餌をやらない
自宅にメダカを持ち帰ると、可愛くてすぐにでも餌をやりたくなりますが、最低でも丸一日は餌をやらないようにしましょう。バクテリアが十分に繁殖していない新規の水槽などでは、特に注意が必要です。
メダカの飼い方〜屋内(水槽)での飼育編〜

出典:写真AC
屋内でメダカを飼育する場合は、水槽飼育が基本です。水槽には投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターを用い、底砂を敷きます。水槽は直射日光が当たらない明るい場所に置くのが良いでしょう。
日の光が入りすぎると水温が上がりすぎ、メダカが弱ってしまう恐れがあるので気を付けましょう。
水槽には照明を設置し、一日10〜12時間程度光を当てててあげましょう。照射時間を一定にすることでメダカの生活リズムも整います。
メダカの飼い方〜屋外での飼育編〜

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屋外で飼育する場合、蓮鉢やプラブネなど上見でメダカを鑑賞するのがおすすめです。
底砂を引き、メダカと併せてホテイアオイなどの浮草を入れるとよい日よけにもなります。夏場は直射日光を避けるために、すだれなどの日よけを設置します。屋外では自然と植物プランクトンが増え、小さな生態系ができてくるため、餌は屋内より少なめ、エアレーションはなくても済みます。
放置しすぎると緑の水が濃くなりすぎてしまい酸欠になるので、適度に換水しましょう。
また、屋外飼育では屋内飼育に比べて、水温の変化も大きくなりがちです。特に寒い時期などは温度変化によってメダカは病気にかかりやすくなります。そんな時に便利なのが発泡スチロールの箱です。
発泡スチロール箱は冬期やプラスチックの容器に比べ温度変化を受けにくく、メダカの負担を減らすことができるため、主に冬期などは発泡スチロール箱で管理するのも良いでしょう。
メダカの産卵・繁殖にチャレンジ!

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メダカ飼育の醍醐味は何と言っても繁殖です。ポイントさえ押さえておけば、メダカの繁殖はそれほど難しくはありません。
メダカをペアリングする際は、メス:オス=1:1もしくは、メス:オス=2:1にしましょう。メダカが繁殖するには水温が20℃以上、日照時間が13時間以上必要です。この条件に加えて、メダカが成熟し健康体であれば、繁殖活動に入ります。交尾はまだ薄暗い早朝に行われ、一度に20個前後の卵を産みます。
卵は産卵床に産み付け、25℃の水温で約10日程度で孵化します。孵化して2日ほどすると自身で餌を食べるようになるので、口に入るサイズの人工飼料やゾウリムシを与えましょう。
大きくなるにつれて餌の大きさも大きくすると成長が早いです。早ければ約3ヶ月で大人になり、産卵可能になります。
メダカの繁殖については、下記リンク先の記事で詳しくご紹介しています。合わせてご覧ください。
メダカの病気と治療
メダカを飼育していると、病気にかかることもあります。かかりやすい病気の種類とその治療・対策方法もチェックしておきましょう。
白点病
症状
メダカをはじめとした多くの観賞魚がもっともかかりやすい病気が白点病です。その名の通り、体表に白い斑点があらわれ、徐々に体力が奪われていきます。急激な水温や水質の変化によって引き起こされます。
治療法
メチレンブルーやマラカイトグリーンを用いた薬浴を行います。また、初期であれば、0.5%の塩浴でも治癒する場合もあります。
水カビ病
症状
白点病についで多く見られる病気が水カビ病です。ヒレなどにカビのようなもやもやしたものが発生します。水温が20℃以下になる秋以降の寒い時期に発生しやすくなります。
治療法
白点病同様に、メチレンブルーやマラカイトグリーンでの薬浴が効果的です。合わせて、薬浴と水温をあげてあげると良いです。
尾ぐされ病
治療法
尾ひれが溶けてしまう病気です。尾ぐされ病の初期では、尾ひれが充血したり赤い斑点があらわれてくるので、これを見つけたら要注意です。
治療法
観パラやパフラジン(エルバージュ)、グリーンFゴールドリキッドなどを用いた薬浴が効果的です。合わせて塩浴もおこなうと良いです。尾ぐされ病は治癒に時間がかかりますので、根気強く治療を続けましょう。
やせ細り病
症状
メダカが徐々にやせ細って、ヒョロヒョロになってしまう病気です。先天性のものと後天性のものがあると言われており、はっきりとした治療法は確立されていません。
治療法
頻繁な換水や青水での飼育で改善する場合もあります。
メダカの飼育を始めてみよう!

出典:写真AC
いかがでしたでしょうか。メダカ飼育は、はじめは覚えることも多くてちょっと難しく感じるかもしれませんが、育ててみると意外と簡単です。今回ご紹介した一つ一つをしっかりと守って飼育すれば、意外と簡単に飼育から繁殖まで楽しむことができるはずです。まだメダカを育てたことがない方も、ぜひ一度飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
メダカがいる生活もなかなかいいですよ!