
クロダイ(チヌ)の生態や味は?いろんな釣り方で狙えるゲームフィッシュ!
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分類 | スズキ目スズキ亜目タイ科ヘダイ亜科クロダイ属 |
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和名 | クロダイ |
学名 | Acanthopagrus schlegelii |
分布 | 北海道〜九州南岸の日本海沿岸、太平洋沿岸、東シナ海沿岸、瀬戸内海。朝鮮半島、台湾、ベトナムなど。 |
特徴 | 体色は銀色に光沢がある灰色で、不明瞭な縦縞がある。尻鰭の第二棘条が発達する。 |
国内のクロダイ属は5種いる

クロダイの形態的特徴
大きいものは体長60~70cmに達する沿岸性海水魚です。形態的にはマダイに似ており、魚体は側扁して体高が高い楕円形のフォルムをしていますが、口吻はやや突き出して尖っています。体色は腹側は銀白色をしていますが、それ以外の部分は全体的に黒色を帯びています。クロダイの若魚には縞模様が見られますが、しっかりと成長した大型の個体では目立ちません。クロダイとキチヌの違い
この両者を見分けるポイントとしては、ヒレの色と鱗の大きさ・数が挙げられます。キチヌは別名で「キビレ」と呼ばれるように、背ビレを除く各ヒレの下部が黄色く染まる特徴がありますが、クロダイはほぼ黒一色です。また、キチヌの方が鱗が大きいので、側線上の鱗の数を数えると同種の方が少なくなります。クロダイとナンヨウチヌの違い
ナンヨウチヌとの見分けは、体高と体色およびキチヌと同様に鱗の大きさ・数がポイントです。クロダイは体高が高い魚ですが、ナンヨウチヌはさらに体高がある魚なので、フォルムが違ってきます。また、ナンヨウチヌの方が体の銀色が強いことも特徴です。そして、鱗の大きさはナンヨウチヌの方が大きいため、クロダイよりも数が少ないです。クロダイとミナミクロダイの違い
この両者の違いは、ミナミクロダイの方がヒレが明るい色合いをしていたり、側線上鱗の数が若干少ないなどの点が挙げられますが、姿が酷似しているため外見での見分けは困難です。ミナミクロダイの場合、生息域がポイントとなります。ミナミクロダイは沖縄県などの南西諸島にのみ生息する固有種と考えられていますが、クロダイの分布南限は鹿児島県屋久島なので、生息域が重なることはありません。クロダイとオキナワキチヌの違い
オキナワキチヌはキチヌによく似た魚なので、クロダイとの見分け方もキチヌに準じます。つまり、ポイントとなるのはヒレの色と鱗の大きさ・数です。オキナワキチヌの腹ビレなどは、下部が黄色や白色を帯びる特徴があります。また、キチヌと同様にクロダイよりも鱗が大きいため、数が少ないです。そして、オキナワキチヌの生息域は沖縄県から台湾、香港にかけてと、クロダイと重ならないことからも判別が可能です。クロダイは実は出世魚

関東でのクロダイの呼び名
チンチン(体長10cm前後)→カイズ(体長20cm程度まで)→クロダイ(体長30cm以上)関西でのクロダイの呼び名
ババタレ→チヌ→オオスケ(大きさは関東と同様) ちなみに、クロダイは成長が遅い魚で、1年で達する体長は十数cm、5年で約25cm、体長45cmほどになるには約9年の歳月が必要と言われています。クロダイの料理

クロダイの味ってどんな感じ?
クロダイはタイ科に特有の旨味を味わえる、美味しい魚として知られています。しかし、マダイと比較すると身には水分が多いため歯ごたえは柔らかく、時間の経過で緩むのも速いですし、熱を通してもあまり硬くなりません。また、沿岸魚であるがゆえに個体によっては臭みがありますが、それがないものは風味と旨味が豊かです。全体としては、柔らかいマダイと言えるような良い食味をしています。クロダイの塩焼き
塩焼きは大物も小ぶりのものも美味しく食べられるのでおすすめです。二枚に下したクロダイを切り身にして、塩を振って1時間程度寝かせてからじっくりと焼き上げます。脂の乗りが控えめだと予想される小ぶりのものは、オリーブオイルなどをかけて焼いても良いです。塩による下処理と並行することで、臭みがあるものでも気にならなくなります。クロダイの湯引き
三枚下しにしたクロダイを皮付きのまま食べやすいサイズに切り分け、沸騰したお湯をかけた後に氷水で締めた料理です。身と皮の歯ごたえの対比が面白く、クロダイの旨味も存分に楽しめます。刺身にしたときに出た皮も湯引きにすると、弾力ある歯ごたえと皮から出る旨味を味わうことが可能で、ご飯のお供だけでなくおつまみとしても最適です。クロダイの煮付け
酒・醤油・みりんを混ぜ合わせたタレに生姜を一片入れ、そのタレをかけながらクロダイを煮詰めた料理です。甘辛さとクロダイの旨味がマッチして美味です。クロダイの風味を生かすために、あまり強く煮付けないことがコツです。1匹丸ごと調理する場合は、身の真ん中あたりに十字型の切れ込みを入れておくと、煮崩れを防ぎつつ味をよく馴染ませることが可能です。クロダイのアクアパッツァ
クロダイには塩・コショウをして下味をつけ、オリーブオイルで玉ねぎ・ミニトマトなどの野菜と一緒に炒め、焼き色が付くまでしっかりと火を通します。その後、アサリと白ワインを加えて煮込み、仕上げにパセリを散らせば完成です。クロダイとアサリ、野菜の旨味が存分に楽しめる料理で、ご飯やパンのお供にピッタリです。クロダイのムニエル
クロダイの切り身に小麦粉をまぶし、バターを敷いたプライパンで焼いて中までしっかりと火を通せば完成です。クロダイには塩・コショウで下味を付け、肉厚でしたらフタなどを活用しましょう。ムニエルの場合はソースで味の変化が楽しめるので、タルタルソースはもちろんのこと、トマトベースのものやカレーソースなど色々と試してみてください。クロダイの釣り

クロダイはルアーフィッシング(チニング)が人気!
クロダイの釣り方の中では、やはり手軽に釣れるルアーフィッシングが人気です。クロダイは雑食性で何でも食べることから、ルアーにも貪欲に食いついてきます。その人気から専用のロッドも販売されており、甲殻類を模したワーム系ルアーを用いたボトム釣りなどのテクニックがあります。落とし込み・ヘチ釣りもクロダイ釣りの楽しみ方の一つ
餌を遠くに投げずに沈める「落とし込み・ヘチ釣り」も、クロダイの引きをダイレクトに楽しめる人気の釣法です。2.7m程度までのヘチ竿とタイコリールを使用し、仕掛けもガン玉と針というシンプルな構成です。餌にはカラスガイやモエビを使用し、岸に寄ってきたクロダイを狙います。イカダ釣りもクロダイならでは
この釣法は、海上に設置されたイカダなどに乗り、足元となる海中に寄せ餌で付け餌を包んだ団子を沈め、クロダイを集めて釣るものです。ロッドは穂先が繊細で全体が短いカカリ竿が使いやすく、繊細なアタリとスリリングな駆け引きが楽しめます。フカセでクロダイの数釣りを
春のベストシーズンではフカセ釣りもおすすめです。内湾などの波が静かな場所では棒ウキが、外海に面したところでは円錐ウキが使いやすいです。餌は付け餌・撒き餌ともにオキアミの使用が一般的で、撒き餌をあまり分散させずにポイントを作るイメージで釣ると良いでしょう。紀州釣りという文化もクロダイにはある
名前の通り紀州で考えられた釣法でダンゴ釣りとも呼ばれており、付け餌をヌカと集魚成分(アミエビの粉など)で作ったダンゴで包んで海中に投入するものです。ダンゴで包むことで餌取りから付け餌を保護するとともに、餌取りがダンゴをつついて集魚成分が拡散することで、クロダイを集める効果も期待できます。クロダイ釣りなら黒鯛工房さんを要チェック!
黒鯛公房さんは、クロダイ専用の釣具の開発・生産および販売を行っているメーカーです。製品開発においては、最先端の技術とデザインが伝統的なものと融合しており、釣り人から高い評価を得ています。竿やリールなどはもちろんウエアやイスに至るまで、クロダイ釣りに必要な物は何でも手に入るので、本格的にクロダイ釣りを楽しみたい方は利用してみてはいかがでしょうか。釣りに料理に、古くから親しまれてきた沿岸魚クロダイ!
